タマ・トンガ&タンガ・ロア(G.O.D)、EVIL&SANADA、石井智宏&矢野通の3チームが並走し、混戦が続いた新日本プロレス「WORLD TAG LEAGUE 2018」。
シリーズも後半に差し掛かった12月4日の神戸大会で、EVIL&SANADAがジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレー、石井&矢野がバレッタ&チャッキーTにそれぞれ敗れ、吉田綾斗&海野翔太の若手コンビに軽々と完勝したG.O.Dが18点と単独首位に立った。
大会を通じて安定した強さを維持しているIWGPタッグ王者、G.O.D。ここまで2年連続ファイナル出場ともはや「リーグ戦の勝ち抜き方を知るプロ中のプロ」といったところだろう。しかも今年はバレットクラブに寝返った邪道がG.O.Dに帯同し、時折試合に介入するなど煩い存在として機能しますます厄介なチームとなっている。
邪道がまるで3人目の選手のように狡猾に介入する姿は連日続いている。11月28日の茨城大会でのランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.(K.E.S.)戦では、後半、優位に立つ場面が目立ったK.E.S.が、邪道に気を取られている隙に丸めこまれたのが起点に。12月3日の高知大会での永田裕志&中西学戦では、試合後半堂々とリング入りしてきた邪道に中西が、不用意なアルゼンチン・バックブリーカーを決めたことが勝因となるなど、邪道がおとりとなり絶妙に試合をかき回し、その隙に勝ちをかっさらうという勝利の方程式が出来上がりつつある。
総当たり戦もあと僅かだが、タマ・トンガ&タンガ・ロア組の3年連続ファイナル出場をかけ、12月7日の秋田大会で石井智宏&矢野通との直接対決が待ち構えている。
またEVIL&SANADA、石井&矢野の敗戦により、ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.のK.E.Sが伏兵ともいえる第4のチームとして浮上してきた。そのK.E.Sは秋田大会ではEVIL&SANADAと対戦。こちらのカードの勝者も、同じくファイナル進出という流れが濃厚だろう。
しかし、話は単純ではない。気になるのは、前日の山形大会にはK.E.Sが所属する鈴木軍の鈴木みのる&飯塚高史がEVIL&SANADAと対戦することだ。ここまであまりユニット間のアシストは目立たず、個々のチームがしのぎを削ってきたが、K.E.Sのアシストとばかりに鈴木&飯塚が、EVIL&SANADAを勝敗関係なく痛めつける可能性は高い。
後半になっても、一つのカードも消化試合ならないのが「WORLD TAG LEAGUE 2018」の面白さだ。残り2戦の総当たりでどのチームがファイナルの岩手大会に進出するか最後まで目が離せない。
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