![高額報酬めぐり世耕大臣が給与返納、官民ファンドトップの報酬“1億円”は高すぎるのか?](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/4/b/724w/img_4b2a2711da8c8d1ff09209fe4ad2702c156657.jpg)
「(経産省の)事務的失態は明らか。事務次官と全体の監督責任ということで、私が一定の責任をとる必要がある」
世耕経済産業大臣が監督責任を認めたのは、経産省が所管する官民ファンド「産業革新投資機構」の役員報酬をめぐる混乱について。経産省は9月、機構の田中正明社長らに対して、最大1億円を超える報酬額を提示していた。しかし11月、この提示額を撤回する。経産省産業創造課の佐々木啓介課長は3日の会見で「この(報酬)水準はほかの官民ファンドとの比較等において適切ではない。高額で国民の理解を得られない水準」と説明した。
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これに対して、機構側は「信義にもとる」と猛反発している。世耕大臣は会見で自身の大臣給与およそ11万円を自主返納することなどを発表したが、報酬をめぐる問題は解決の目処が立っていない。
資金運用を行う公的機関のトップの報酬に対する相場観が問われているこの問題。東京工業大学准教授の西田亮介氏は「1億円の報酬は妥当ではないか」との見方を示す。
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他の公的機関の理事長の報酬を見てみると、中小機構は約2100万円、年金積立金管理運用は約3150万円、日本年金機構は約1560万円となっている。一方、産業革新投資機構の田中社長の固定給は1550万円で、業務連動報酬が最大1億1000万円。ちなみに、田中社長は元三菱UFJフィナンシャル・グループの副社長で、当時の報酬は1億1000万円だった。
いわば“1億円を超える報酬をもらえる人物”だが、西田氏は「最大1億2000万円という報酬は直感的には多く感じる。ただ、金融業界は一般的に給与水準が高いとされていて、今回も産業革新投資機構に民間感覚を持った優秀な人材を登用するということがある。業務連動報酬のウェイトが極めて大きいことも考えると、最大のパフォーマンスが出たときにこれだけの給料がもらえるというのは妥当な金額ではないか」と話す。
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また、こうした理事長のポストがかつては“天下りポスト”だったことを指摘。「役人を終えた人たちが就くにはこれくらいの相場で良かったかもしれないが、一般企業と人材を取り合って人を集めてこようと思うと、やはりそれではままならない。金融業の相場を見ないといけないという点では、二転三転する経産省の方針、あるいは経産大臣の資質に問題を感じる。むしろその金額が適正だと説明すべき」と指摘した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)