DDTのリーグ戦「D王グランプリ」が、いよいよ佳境を迎えようとしている。「D王」は所属選手に他団体、フリー、外国人を含めたリーグ戦で、11月30日に開幕。A・B両ブロックのトップが12月30日の後楽園ホール大会で決勝を争う。優勝者は来年2月17日、両国国技館大会でのKO-D無差別級王座挑戦権を獲得。大舞台のメインまで見据えた重要な闘いだ。

(HARASHIMAという壁を越え、3連勝でリーグトップタイとなった樋口。ヘビー級ならではのパワーファイトはDDT屈指)
(C)DDTプロレスリング
プロレスリング・ノアから潮﨑豪、MMAファイターの青木真也も参戦しているこのリーグ戦。Aブロックでまず飛び出したのが潮﨑だった。開幕戦でDDTの大型パワーファイター・樋口和貞と対戦すると、ノアのグローバル・リーグ戦に続きド迫力の真っ向勝負を展開。この試合から3連勝を収めてトップに。しかし4戦目で現KO-D無差別級王者・佐々木大輔に初黒星を喫している。
佐々木は開幕前から「リーグ戦は(トーナメントと違い)1回負けても終わりじゃないから“明日頑張ればいいや”ってなっちゃうな」とコメント。まるでダイエット初心者のような苦手意識を持っていたようだが、実際に全6戦のうち5戦を終えて2勝3敗。潮﨑に勝って王者の意地を見せたが、優勝は遠い状況だ。

(現在勝ち点6で並ぶ潮﨑と樋口は開幕戦で激闘を展開)
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ベテラン・HARASHIMAも4戦2勝2敗と苦しい展開。初戦でMAO、2戦目で樋口と新世代の選手に連敗したのが痛かった。逆にHARASHIMAからシングル初勝利をあげ、勢いに乗ったのが樋口だ。初戦の潮﨑戦でも敗れたとはいえ手応えはあり、HARASHIMA戦から3連勝で潮﨑と勝ち点6で並んだ。
HARASHIMAという壁を乗り越えた樋口は、これまでの対戦とは「気持ちの部分が違いました」とコメント。潮﨑の参戦を含め、このリーグ戦はDDTに新鮮な光景をもたらしていると言っていい。

(苦しい闘いが続く王者・佐々木。12.7新木場大会では彰人の完璧足4の字固めに敗れ「ヒザが90度に曲がっちまったじゃねえか!」。そんな佐々木のコメントに慣れている取材陣は特に深追いせず)
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12.30に決勝、1.3後楽園大会では佐々木が2度目の防衛戦(挑戦者は未定)、そして2月の両国大会メインに優勝者が登場。1.3の挑戦者はリーグ戦出場者の中から佐々木自身が選ぶと主張しており、公式戦のリベンジマッチになる可能性もある(これまでプーマ・キング、彰人、HARASHIMAに黒星)。“点”ではなく“線”の闘いとして、「D王」には見逃せないドラマが詰まっている。
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