12月16日、Krushの年内最終戦となる後楽園ホール大会が開催された。
(Krushらしい激闘で初防衛を果たした島野)
メインイベントは島野浩太朗vs大岩龍矢のスーパー・フェザー級タイトルマッチ。王者・島野はこれが初防衛戦だ。2011年の初参戦以来、苦闘を重ねて今年6月に戴冠を果たした島野。それだけにKrushのリング、Krushのベルトへの愛着も強い。
対する大岩はK-1ジムKRESTの所属。武尊や卜部兄弟と同門で、今年4連勝(ここ2試合は連続KO勝利)と絶好調でタイトルマッチを決めた。
島野とは対照的に、大岩ははっきりK-1が目標だと公言しており、ベルトも「通過点」だと語っている。
そんな挑戦者に「Krushは通過点にできるほど甘くない」という王者が意地を見せられるか。それがこの試合の大きなポイントだった。
序盤は連勝の勢いそのままに大岩が攻勢。得意とする右のパンチを強振していく。だが島野は落ち着いてパンチを返しつつ、ローキック、ヒザ蹴りで足やボディにも攻撃を散らし、ダメージを与えていった。ジムで何度も練習し「頭で考えるより先に体が動いた」という大岩対策が見事にハマった形だ。
大岩も苦しい展開の中でパンチを繰り出し、本戦3ラウンドの判定はドロー。延長戦もひたすら真っ向勝負が続き、その中で的確に攻撃をヒットさせた島野が3-0の判定勝利を収めた。
「自分は不器用。このリングにしがみついて、1日でも生き残るんだという思いでやってきました」というチャンピオンが、修羅場で培ってきた底力を爆発させた試合だったと言えるだろう。
またこの大会では、前王者の郷州征宜が再起戦に臨み、山本直樹に勝利。1ラウンドに山本のハイキックでダウン、大ピンチを迎えた郷州だったが、そこから猛反撃。ポイントで同点に追いつき、やはり延長戦で振り切った。
目標は当然、タイトル奪還。現王者、前王者ともKrushらしい激闘を制しており、年内最終戦は来年のスーパー・フェザー級戦線にも期待を抱かせる内容となった。