「あくまで選手と指導者の間における問題。“昔と今は違う”と言っている今の大人も悪い」
12月31日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー ゆく炎上くる炎上 大晦日完全決着4時間スペシャル!』に生出演した日本ボクシング連盟前会長の山根明氏(79)が、2018年のスポーツ界で浮き彫りになった「パワハラ」問題について言及し、持論を展開。そしてタレントの鈴木奈々が、番組内で行われたパワハラ議論に真っ向から反論した。
「ボクシングのミット打ちの際、選手の動きが悪かったらミットを持っている指導者がミットで顔を叩くことがある。しかし、今やったらこれもパワハラ」とボクシングにおける具体例を挙げてパワハラについて言及した山根氏は、「日本国というのは昔から礼儀正しい国。昔から常に選手に愛情をかけていれば、選手は何にも思わない。それが練習の時だけそうやってやるから、パワハラになる」と語り、今の大人が悪いという認識を示した。
この山根氏の意見に異を唱えたのは、評論家で文筆家の古谷経衡氏だ。「プロであろうがアマチュアであろうが、暴力が日本の精神で、それが無くなったら日本が無くなるということであれば、そんな日本なら無くなってもよろしい。暴力が日本の伝統であるわけがない」と語気を強めた古谷氏に対して、「暴力の定義を突き詰めていくと破綻する」と冷静に意見を述べたのが、東大大学院卒で元日経新聞記者、元セクシー女優という経歴を持つ社会学者の鈴木涼美氏。「会議に出ろと言った時の目が高圧的だったというパワハラ事例もあるほど。今はパワハラを報道する側の方が強い感じがするので、双方の話を聞いてバランスをとることも必要」と鈴木氏が話したところで、番組が弁護士に聞いたという「パワハラの恐れがある指導者の言動“が発表された。
1000本ノック、ミス後の腕立て伏せ、科学的根拠のない指導、新入社員と比べる叱責、うさぎ跳び、個人への執拗な指導など様々な具体例が示されると、「うさぎ跳びがパワハラに当たるとは……」と驚いたのは国際政治学者の舛添要一氏だった。そして、スタジオでのパワハラ議論が進む中、声を大にして意見を述べたのは、タレントの鈴木奈々だった。
「暴力とかするコーチは許せない。それに昔はこうだったというおじさんたちもいるけど、『知らねーよ!』って思う。昔は昔で、今は今。暴力は反対。コミュニケーションを図って教えていくべき」と話し、ゲストたちの喝采を浴びた。
「どの人間でも欠点と良さを持っている」と話した山根氏は、学生たちに語り掛けるように想いを述べた。
「学生に対して真剣に物を言えば、真剣な顔で声も大きくなります。現在の教員には、笑いながら物を言う人間がいる。真剣に物を言うとき、笑いながら物が言えますか? 勿論全員ではありませんし、立派な指導者もいますが、今の学校教育では、現在の子どもたちに対してできません。さっきも言ったように、暴力は結果的に選手の捉え方です。普段の愛情があった場合は愛情となる。しかし、本当の暴力をやっているから暴力になる。それでもぜひ子供たちには、何でもいいので好きで熱中できるクラブに入って欲しいと思っています。そこが一番、人間教育を学べる場所であるから」
(C)AbemaTV
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