プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」1月11日の1回戦で、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が自身6勝目、チーム16勝目を挙げた。1月10日の対局で2連続ラスに終わり窮地に立たされていたチームを、Mリーグ最年少の若武者が救った。
対局者は起家から渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)。前日に引き続きこの日もパブリックビューイングが開催され、松本にとっては昨年10月にMリーグ初役満・国士無双を振り込んだ佐々木への絶好のリベンジの機会となった。
渋谷ABEMASにとって2019年の初陣となった1月10日の対局。多井隆晴(RMU)、白鳥翔(連盟)という盤石の布陣で臨んだものの、結果はまさかの2連続ラス。開幕直後は400ポイントほどのリードを積み上げて首位を快走し、優勝候補の筆頭と目されていた渋谷ABEMASだったが、この2連敗でマイナスは200ポイントを超え、順位も6位まで後退した。優勝どころかクライマックスリーグ進出も危ぶまれる崖っぷちの状況で、チームの復活を託されたのは若武者・松本だった。
Mリーグ全選手の中で最年少の26歳は「ここで僕がコケるとチームの雰囲気はかなり重くなる。懸ける思いとプレッシャーはありました」と、序盤から気持ちの込もった闘牌を披露した。東3局1本場では、3筒のペンチャン待ちという愚形も気にせず7巡目に先制リーチ。終盤に魚谷からリーチ・赤・ドラの5200点(+300点、供託1000点)を直撃すると、東4局1本場でも魚谷からリーチのみの1300点(+300点、供託2000点)をアガり、僅差のトップ目で南入を迎えた。
解説のTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)が「全員に全着順がある状況。ひとつひとつの手が大事になります」と語った南1局。8巡目に南家の鈴木から先制リーチがかかる中、親番の松本はドラ3のチャンス手で11巡目に追っかけリーチ。ここで鈴木からリーチ・平和・ドラ3の1万2000点(+供託1000点)を直撃すると、続く1本場では佐々木との仕掛け合戦を制して白・ドラの2900点(+300点)をゲット。一気にリードを広げて主導権を握った。
南1局2本場では役牌を鳴いた魚谷の手の打点を読み切り、自身のテンパイを崩してアガリ牌を止める好プレーを披露した松本。「魚谷さんの遠い仕掛けに安い手は少ない。あの仕掛けはかなりリスペクトしていました」という読み通り、ドラ3を含んだ満貫手を阻止してリードを守った。逃げ切ればトップのオーラスでは、解説の瀬戸熊に「若武者らしい選択」と評された強気のリーチを成功させ、リーチ・ツモ・赤2の8000点を加点。守るべきところは守りながら最後まで攻める姿勢を貫き、パブリックビューイング会場のファンを沸かせた。
試合後、いつになくリーチを多用した攻め気の強い麻雀について、松本は「ここのところ、チームとしてジリ貧の展開が多かったので。リーチの是非はわかりませんが、攻めた結果こうなりました」と解説。また、パブリックビューイング開催日に迎えた“因縁”の佐々木との直接対決については、「去年のパブリックビューイングで寿人さんに国士を打ってから、どうにかしてリベンジしたいなと思っていました」と試合前からはっきりと意識していたことを明かしていた。
残りの20試合に向けて、松本は「僕が勝ち切ることで、チームのポイントもどんどん増えていくと思っています」と力強く宣言。若武者・松本がつかみ取った新年初トップをきっかけに、渋谷ABEMASの逆襲が始まった。
【1回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)5万700点/+70.7
2着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)2万8100点/+8.1
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)1万9600点/▲20.4
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)1600点/▲58.4
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがファイナルシリーズに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月で2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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