『週刊SPA!』が昨年12月、「性交渉に持ち込みやすい」女子大学生が多いとして大学をランク付けする記事を掲載した件で、抗議の署名を呼びかけていた大学生らが14日、扶桑社を訪れ2時間以上に渡る話し合いを行った。
話し合いを終えた大学生は「感覚がすごくまひしていて、今までやってきたことが徐々にエスカレートしているからこそあまり問題の視点がなかったと。それに対して謝罪もちゃんとありました」とコメント。『週刊SPA!』の編集長は「前向きな意見をもらっていろいろなことに気づいた。今後誌面に反映していきたい」としている。
そんな中、ライターの小川たまか氏は「『ヤレる女子大学生ランキング』批判に戸惑うメディアの人へ」として、次のように指摘している。
「ここ数年に報じられた女性が被害者となった性犯罪事件を挙げたい。共通するのは、飲み会が発端だったことだ。このような事件が繰り返され、被害者が中傷されることもある世の中で、一方的な『ヤレる』認定に恐怖や怒りを感じて当然だ。『こんな雑誌の企画を真に受けるヤツはいない』と笑い飛ばせる世の中を女性は生きていない」（出典：Yahoo!ニュース個人）
では、記者は問題となった企画をどうみているのか。元朝日新聞記者でBuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「SPA!は今回に限らず、ずっと前からこういう趣旨の記事を書いていたので、ある意味通常営業」とコメント。今回の問題については、「Yahoo!ニュースなどのプラットフォームやSNSなどで記事がバラバラに流通し、“雑誌のSPA!”を目当てに読みに来る人とは全く違う読者層に届くようになった。SPA!は男性中心の読者層を想定して記事を書いているが、そうではない読者の目にも触れる。そこを編集する側の認識がずれていて、今までどおり発信していると文脈を剥がされて届いてしまう。『SPA!だからしょうがない』は通用しなくなってきている」との見方を示す。
一方、出版社と大学生が話し合いの場を設けたことについては「大学生側がまとまった声を最終的に届けて、一方的に休刊や廃刊を求めるのではなく話し合いを設けたのは建設的なことだと思う。扶桑社も耳を傾けたように対話していくのは大事なことで、今後SPA!がどういう記事を書くのか注目される」と評価した。
では、ネットニュースを発信する上でどのような点に気をつけるべきなのか。神庭氏は「こう読まれるかもしれない、この企画は反発されるだろうということは、ある程度事前に予想できる。性的に開放的である、自由であるということ自体は悪いことではなく、女性目線でそれを書けばアリだったかもしれないが、男性目線でモノ扱いというところが良くなかった。誰も不快にさせない、傷つけない記事はないので、過度に萎縮する必要はない。ただ、だから傷つけていいということではなく、『傷つけるかもしれない』という覚悟を常に持たなくてはいけない。今回の記事からは、そうした覚悟をまったく感じられなかった」と述べた。
（AbemaTV／『けやきヒルズ』より）
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