<大相撲初場所>◇十日目◇22日◇東京・両国国技館
無敗の横綱・白鵬(宮城野)を星一つの差で追っていた前頭十五枚目・千代の国(九重)にアクシデントが発生、館内が騒然とする事態が起こった。
立ち合い下から突き上げ、前頭十一枚目の勢(伊勢ノ海)を押し込んだ千代の国。しかし勢の反撃を受けると、逆に押し込まれて土俵際、ひざから崩れ落ちるように押し倒された。その瞬間、苦悶の表情を浮かべ、ひざを抱えて動けなくなった千代の国。時折、声を上げるなどする様子に事の大きさを感じ取った館内は、騒然として静まり返った。
AbemaTVの中継で解説していた元横綱・大乃国の芝田山親方は「一瞬ですが、土俵上でひざがガクッとなりました。勢が乗っかったわけでもないのですが、(千代の国は)ひざに古傷があるので」と話した。芝田山親方はさらに続けて「ひざが内側に捻じれ、畳まれるようになりました。これは、靱帯が心配ですね」と状況を説明した。
怪我が多く、一時は幕内から三段目まで番付を下げた千代の国。今場所は好調そのもので、優勝を狙える位置につけていたこともあり、色々な意味で痛い1敗となった。なお千代の国は自分で歩くことができず、車いすに乗せられて花道を下がっていった。
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