アメリカの航空大手・ボーイング社が開発している「空飛ぶ車」が、試験飛行に成功し初公開された。この空飛ぶ車は離陸から着陸まで自立飛行で、約80kmの範囲を移動でき、2人または4人乗りを視野に実用化を目指しているという。
通勤時間の短縮や渋滞の回避などに期待が寄せられているが、空飛ぶ車は今後一般化していくのだろうか。2017年の国家戦略特区諮問会議でドローン技術の活用などについて提言した社会起業家の牧浦土雅氏は「まだ時間がかかる」との見方を示す。
「技術が浸透していく前には文化形成という段階があって、F1などもエンターテインメントからどうやって車を速くするか、モーター技術の発展、ヘルメットの安全性の向上というところから進んでいった経緯がある。私も2017年の国家戦略特区諮問会議でドローンのレースを提案したが、まずレースや空撮といったエンタメから入り、いずれ技術の革新につながるというようなステップが大事だと思う」
空飛ぶ車の一方で、日本でも「空飛ぶトラック」の開発が進んでいる。ヤマトHDは米ヘリコプター製造大手のベル・ヘリコプターと共同で「空飛ぶトラック」の開発を進め、2025年までに配送サービスに導入すると発表している。最大積載量は約450kg、時速は約160km、サイズは飛行機とドローンの中間で、中・長距離の輸送に利用することで貨物輸送のスピードアップが期待されている。
そんな中懸念されるのは空の交通整理。牧浦氏は「経産省や国土交通省において官民協議会が発足して、運行管理や衝突回避のためのシステムが組まれていたりするが、その中で管制塔の役割を担う業界が必要になると思う。ビジネスと安全性が同時進行することが大事」との見方を示しつつ、「空飛ぶ車の潜在需要は大きくて、車の移動だけで9兆円、物も含めると230~240兆円あると言われている。ここに入り込んでいくのはハイリスク・ハイリターンだが、陸などで頑張ってきた既存の会社が出てくるのは理にかなっている。まずは人手不足の補完から、災害時の救援物資の空輸などに大きな需要があるのでは」と期待を寄せた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)









