総合格闘技の老舗・修斗が1月27日に後楽園ホール大会を開催した。今年30周年を迎える修斗。記念イヤー一発目の後楽園大会とあってマッチメイクも充実していたが、その中でメインイベントを任されたのが租根寿麻vs岡田遼の環太平洋バンタム級チャンピオンシップだ。
王者・租根は初防衛戦。これまでさまざまな団体を渡り歩いてきた選手で、昨年夏にはRIZIN参戦も果たしている。対する岡田は修斗で闘い続けてきた。そのキャリア、格闘家としての生き方の違いから、両者は試合を前に舌戦を展開してもいる。
試合自体も、その盛り上がりをケージに持ち込んだような衝撃的なフィニッシュとなった。スタンドの展開で岡田が組み付き、圧力をかけていくと飛びヒザ蹴り。これはフェイントだったか、岡田は着地した瞬間に左フックを放つと、完璧にヒットして租根がダウン。岡田がパウンドで追撃したところでレフェリーストップに。事実上、勝負は左一発で決していたと言っていいだろう。
鮮やかな王座交代劇。新チャンピオンとなった岡田は、マイクを握ると「パラエストラ千葉所属、鶴屋浩の弟子、第8代修斗環太平洋バンタム級王者の岡田遼です」と自己紹介。ジムと師匠に抱く愛着とプライドを感じさせた。
さらに岡田は「租根選手とはいろいろ言い合いましたけど、俺のほうがベルトを巻くのにふさわしい。なぜなら俺のほうが修斗を愛してるから」。そして、佐藤将光が持つ同級世界王座への挑戦もアピールした。岡田にとってバンタム級世界タイトルは、ジムの先輩である松根良太と扇久保博正が保持していたもの。「憧れの2人が巻いていたベルトを、もう一回鶴屋さんの元に取り返すのが僕の最後の仕事です」と意気込みを語った。
今年は岡田の世界挑戦もポイントになってきそうな修斗バンタム級。また修斗はアジア最大の格闘技イベントであるONE Championshipとの提携もスタートし、その闘いは世界につながる道としても注目されそうだ。これまでも、常に日本を代表する強豪を輩出してきた修斗。パンクラスやDEEPも含めアマチュア、新人からステップアップしていく選手たちを見ていくのも、格闘技ファンの楽しみの一つなのだ。
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