1月31日のプロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」で、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)が1回戦と2回戦を連闘。惜しくもトップ獲得はならなかったものの2戦続けて2着を獲得し、ファイナル進出のかかった最終盤に6戦連続連対と抜群の安定感を披露している。
ファイナルシリーズ進出圏内の4位以内の座をめぐって、1日ごとに目まぐるしく順位が変動する大激戦となっているMリーグ。この日の対局前の段階で5位の渋谷ABEMASだったが、3位のKONAMI麻雀格闘倶楽部まではわずか45.7ポイント差。1回のトップで充分に上位進出が可能な状況で、自他ともに認めるエースの多井が気合の連闘に臨んだ。
1回戦の東1局からタンヤオ・ドラ3の親の満貫、1万2000点をアガってスタートダッシュを決めた多井。その後も東3局にリーチ・一発・平和・三色同順・ドラの1万2000点を赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)から直撃するなど、序盤でリードを築いて対局の主導権を握った。しかし南場でU-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)の猛反撃に遭い、オーラスで逆転トップを奪われる悔しい2着。「今度こそ」の思いで挑んだ2回戦では、さらに気迫を全面に押し出した闘牌を見せた。
2回戦の対局者は多井にとって長年のライバルであるTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、多井が「天才」と認める赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、さらに瀬戸熊と鈴木を抑えて「RTDリーグ2018」の優勝を勝ち取ったU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)と、Mリーグのレベルの高さを象徴するような超重量級のメンツ。それでも、唯一の連闘となった多井は東1局からフルスロットルで飛ばしていく。9巡目に先制リーチをかけると、親の瀬戸熊とのめくり合いを制してリーチ・ツモ・平和で2700点(+供託1000点)。「700、1300」という点数申告の声にはいつも以上に力が込められていた。
親番の東3局でまたしても瀬戸熊とのリーチ合戦を制し、リーチ・一発・ツモ・ドラの1万2000点でトップ目に立った多井。続く1本場では、好配牌を活かしてダマテンで満貫確定のテンパイを入れるも、鈴木のリーチに対して現物でドラの八万を五万と交換する形で切り出し、アガリの点数を下げながらダマテンを維持する堅い打ち回しを見せた。さらに打6索と打7索の2択を迫られた場面では、7索待ちの鈴木への放銃を回避する打6索を選択。多井ならではの読みが冴え渡ったこの一打には、解説を務めたEX風林火山・勝又健志(連盟)も「うわあ、見事……。これは見事ですね」と感嘆するほかなかった。
この東3局1本場でツモ・タンヤオ・赤2の1万2000点(+300点、供託1000点)をアガり、一時は5万4000点持ちの大きなトップに立った多井。しかし1回戦と同様に、2回戦でも南場に入って猛烈なアガリを連発した鈴木に逆転を許してしまう。大きなリードを奪われると、多井は無理をすることなく堅実に2着をキープ。連闘を通して1度も放銃しない大人の麻雀で、渋谷ABEMASに貴重なプラスポイントをもたらした。
直近の6戦で3勝2着3回と、まさに獅子奮迅の活躍を続けている多井。1月31日の対局を終えた時点で、4位のKONAMI麻雀格闘倶楽部と5位の渋谷ABEMASとの差はわずか9.6ポイントにまで縮まった。順位点どころか、たった1回の満貫ツモで逆転するという超接戦。全チームが80戦中70戦を消化してまさに佳境を迎える中、多井はエースとして渋谷ABEMASをファイナルシリーズに導くことができるだろうか。
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月、2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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