厚生労働省の「毎月勤労統計」における不正によって、雇用保険などの受取額が少なくなった人は延べ2000万人以上、追加給付のために必要な額は約800億円に上ると報じられている。
国会で安倍総理は「給付の不足分については、できる限り速やかに簡便な手続きでお支払いできるよう万全を期して必要な対策を講じていく」と説明。3月から給付を開始するとしているが、2004年分から7年分の統計資料は廃棄されており、保管期限が過ぎた1000万人以上の住所が分からない有様だ。第1次安倍政権時代の「消えた年金問題」によって惨敗した自民党。今年はあれから12年、同じ「亥年」であり、統一地方選挙と参議院議員選挙が重なる"選挙イヤー"に当たる。今回の「消えた給付金問題」も、対応を誤れば"悪夢の再来"となりかねない。
2日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した政治評論家の有馬晴海氏は「安倍さんは12年前に1年間で終わったわけだが、今度はその安倍さんが6年以上やっている。ある自民党の人は、"総理をどうやったら続けられるかということをあの1年ですごく理解をした。人が変わった。総理のプロなんだ"と言った。ただ、年金のときは今回よりも人数は少ないものの、額は2兆円規模。今回、額はそれより少ないものの、対象者は延べ2000万人と言われている。この人数になると、国民としては"許せない"というふうになるのではないか。データを調べるのにも多額の費用がかかってくると思うし、国民の皆さんも"ちょっとこんな国では…"という感じがするのではないか」との見方を示す。
「12年に1回、地方選があって、参院選が回ってくる亥年選挙には、"亥年現象"がある。4月の地方議員に当選した人は疲れ、落選した人はやる気がなくなる。だから言い方は悪いが、7月の参院選の手足になってくれなくなり、結果に直結してくる。安倍さんも12年前の参院選で負けたが粘ったが、色々な力で辞めざるを得なかった。さらに衆参同日選挙になり、参議院も衆議院も負けて壊滅状態になったらどうするのか、という懸念がある。様子見をしながら、"統計を信じて消費税を上げようと思ったのに、こんなに悪いなら上げない"ということで選挙をやれば有利になる、というストーリーもある。誰がどういう仕掛けをしてくるのか分からないということで進んでいる」。
日本維新の会の足立康史幹事長代理は「だからこそ日本社会をどういう方向に持っていくか、世論をリードするマスコミの役割は大事だ。そして政治家には、官僚が二度と不正をしないようにリードする責任がある。マイナンバーとか、最新のテクノロジーを行政機構に埋め込めば、お金もかからずスリムに作り直すことができる。そういう行政改革をするためにはまず当事者である国会が変わらないといけない。それなのに相変わらずプラカードを掲げたりジャンピングしたり、マイク奪って暴力を振るったりと、スキャンダル追及で遊んでいる野党議員もいる。"大臣辞めろ、アベノミクス偽装、賃金偽装、安倍さんへの忖度だ…"というような、答えのない問いかけはやらないでほしい。平成から変わるんだから、そういう国会はもうやめにすべきだ」と訴えた。
足立議員に"立憲とか国民とか、維新以外の野党は国会を空転させたいだけだ"と名指しされた、同党副代表の渡辺周衆議院議員は「"新しい答えを作ろう"というスローガンでやっている。攻撃するのは簡単だが、"だけどどうするの?"と言われた時の対案を出しながら質疑しないと、言いっぱなしと言われてしまう。牛歩とか、昭和のような抵抗はもうやりません。健全な社会にするためにはどうしたらいいか、役人のモラル欠如、無責任に気づかない政治。結論がうやむやになる日本型解決。そのためのことを考えないといけない」と応じていた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)
▶次回『みのもんたのよるバズ!』は9日夜8時から生放送
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