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 2月11日、新日本プロレス大阪大会「THE NEW BEGINNIG IN OSAKA」のメインイベントで挑戦者・ジェイ・ホワイトがIWGPヘビー級王者・棚橋弘至を下し、外国人選手としては最年少となる第68代王者となった。

 昨年の1.4東京ドーム大会、10月のIWGP挑戦権利書をかけた直接対決で善戦しながらも棚橋の試合巧者ぶりにあと一歩で涙をのんだジェイだが、3度目の正直で見事、棚橋超えを果たした。

 序盤から一進一退、膝に爆弾を抱える棚橋がジェイの攻撃を巧みにかわして主導権を握るものの、外道の陽動作戦でペースを乱されると、ジェイの鉄柱やリングサイド、放送席などあらゆる手を使ったラフな膝攻撃によって形勢が逆転していく。

 試合中盤では棚橋が復調し、いつもの勝ちパターンも見られた。外道の介入にも冷静に対処し、連動したジェイのイス攻撃も事前に察知、再三のスウィッチブレイドもツイスト・アンド・シャウトで返すなど、棚橋の読みが冴える場面もあった。しかし、テキサス・クローバーホールドや両者が体をめまぐるしく変える攻防でのスタイルズ・クラッシュ、10月の大会でカウント3を奪ったスモールパッケージホールドなど決定的な技を連発するも、粘るジェイを相手に決めきることができなかった。

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 一方、この試合ではジェイの大きな成長も感じられた。たとえば危険な場面をペースの緩急で危機を脱する狡猾な試合運び。コーナーサイドに飛ばされるとスピードを落として間を外したり、ロープに振られる場面でゆっくりと腰を落とし棚橋のチェンジ・オブ・ペースを妨害したシーンに象徴されたように、ラフプレイだけではない試合巧者ぶりはジェイの真価の証でもあった。

 ヒールとしてのダーティーな部分ばかりがクローズアップされるが、失敗に終わった2度の外道の介入を除けばほぼ真っ向勝負の展開。後半両者のスタミナが切れる厳しい展開で、カウンターのスリングブレイド、ドラゴンスープレックスと大技を連発する完全な“棚橋流れ”だった試合だが、フィニッシュのハイフライフローをキャッチしてのブレードランナーという驚きの一手で試合を決めた。

 全く同じ時期2012年の大阪大会で、当時のIWGP王者棚橋弘至がオカダ・カズチカに敗れた「レインメーカーショック」になぞらえる今回の「スウィッチブレイド・ショック」。この1年間でケニー・オメガ、オカダ・カズチカ、棚橋弘至と歴代のIWGP王者を攻略して来たという意味では、単純なシンデレラストーリーではもはや片付けられるものではなく、本当の意味でジェイ・ホワイト時代の到来を告げる試合となってしまった。

 新王者となったジェイ・ホワイトだが、今後各選手のターゲットとして集中砲火を浴びることは確実だ。インターコンチネンタル王座との2冠統一を次なる目標に掲げる内藤哲也、今大会でバッドラック・ファレを撃破し復活の手応えを掴んだオカダ・カズチカ。さらに試合直後こそ弱気発言でタイトル戦線からの離脱を示唆した棚橋も、深夜には自身のツイッターで再起を誓うともとれるコメントを発信している。

 3月からのニュージャパンカップ、4月には米国NYのマジソン・スクエア・ガーデンでの大会も控えているが、凱旋約1年で戴冠という急激な出世を遂げた新王者が追われる立場でどのような戦いを見せるか注目である。

(C)AbemaTV

写真/新日本プロレスリング


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