元長野県知事で作家の田中康夫氏が、千葉県野田市の小学4年生・栗原心愛さん(10)が亡くなった事件について言及。千葉県知事を務める森田健作氏の対応を厳しい口調で批判すると疑問や怒りを露わにした。本件については先週金曜日、文部科学省の浮島智子副大臣と厚生労働副大臣の大口善徳副大臣が野田市を訪問し、聞き取り調査を実施。さらに政府は来年度に児童福祉司を1070人増員する方針を発表している。
10日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー』にコメンテーターとして登場した田中氏が問題視したのは、森田氏の対応の遅さと危機意識の無さだった。森田氏は事件からおよそ1週間後に開かれた知事定例記者会見の席で「もちろんすぐ調査委員会を立てて事情をしっかり把握し、二度と起こさないよう指示している」と話したが、実際に森田氏がこの件について触れたのは記者会見の中盤。記者からの質問を受けての回答だった。
この森田氏の姿勢に対して田中氏は「あり得ない。何で真っ先に現場に行かないんだ」と話し、トップの危機意識の無さを糾弾すると「今回問題視された児童相談所は千葉県がやっている。女児が自宅に帰ってからのおよそ10カ月間、なぜ野田市はもちろん、千葉県も自宅を訪問し、ドアを叩きに行かなかったのか」と対応の不味さを指摘。本来であれば事件発覚後すぐの会見があって然るべきなのになされず、ようやく行われた会見で「対応に隙間があった」などとコメントしたことについて、「このような問題がずっと無くならないのはなぜか、国が言うように児童福祉司の人数を増せば解決する問題ではない」と続けた。
すると田中氏は埼玉県の上田清司知事が行った施策を例に挙げ「埼玉県の上田知事は児童相談所と警察、そして知事室をホットラインで結び、どんな小さなことでも報告して欲しいと訴えた。現場の職員は警察も含めて民事不介入ということがある」と話すと、「トップが陣頭指揮を執るべき」との考えを改めて強調した。
トップに対して語気を強めた田中氏は一転、現場については「児童相談所にいる児童福祉司は本当に真面目な人が多いが、予算が少ない。そのため全国で同じ境遇や経験をしている児童福祉司と様々な情報交換をすることも難しい。また児童相談所のトップになる人は定年を控え、他から移ってくる人が多いため現場とは違って“つつがなく”という考えに陥りがち」と現場の実態に理解を示すと、「人数を増やしたり、箱モノを作ったりすることではなく、40代くらいの若手を起用することでより有機的にどう動くか。本当に必要な意見がリーダーに言える雰囲気が必要」と訴えていた。
(C)AbemaTV
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