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(緊張したとは言うものの、実力を存分に見せつけた湯浅。QUINTET女子の中心選手になっていくはず)

 昨年スタートした、グラップリングの団体戦抜き試合トーナメント『QUINTET』が、今年初の大会を2月3日にアリーナ立川立飛で開催した。

 大会名は『QUINTET FIGHT NIGHT2 in TOKYO』。今回は日本のチームによるトーナメントだ。優勝を収めたのは強豪柔術アカデミーCARPE DIEM。5人全員のチーム力に加え、決勝では山田崇太郎が3人抜きを達成。QUINTETのテーマでもある“一本勝ちの醍醐味”を体現してみせた。

 さらにこの大会では、ワンマッチも実施。大会創設者の桜庭和志が美木航とエキシビションを披露し、さらに初の試みである女子の「シングルマッチ」も。この試合でQUINTET初登場を果たしたのが湯浅麗歌子だ。湯浅は柔術世界大会4連覇の実績を持つ、いわば日本を代表する格闘家。昨年のQUINTETアマチュア大会にもエントリーしていたが、その時は他のメンバーだけで決着がついてしまい、出番がなかった。そのためプロ大会でのQUINTETデビューに。

 花道からのテーマ曲付き入場など、柔術の大会とは勝手が違うため「緊張して、最初はフワフワしてました」という湯浅。対戦した石黒遥希の健闘もあったが優位に試合を進め、最後はアームバーで一本勝ちとなった。アグレッシブで流れるような動きと、最後に仕留めきる極めの強さは、さすが世界王者と思わせるものだった。

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(大会後のインタビュースペースで顔をそろえた桜庭、湯浅、美憂、榊原実行委員長。今後さまざまな新展開がありそうだ)

 試合後には、4月7日に同じ会場で開催される女子トーナメントをアピール。中継の解説として来場していた山本美憂にも「レスリングチームで出てほしいです」。美憂も湯浅をMMAに勧誘しつつ「自分にとってもグラウンドを強化するいい機会です」と前向きに答えた。

 さらに大会後、インタビュースペースでは美憂とともにRIZINの榊原信行実行委員長がコメント。榊原氏は女子大会の美憂率いるレスリングチームについて「チームRIZINとして送り出すこともやぶさかではないです」とし、村田夏南子、浅倉カンナ、あいといったレスリング出身選手の名前を出していた。また男子チームの参戦にも前向きで、これから本格的にQUINTETと向き合っていきたいという。さらには「変なことをやっていきたい」とギャビ・ガルシアvs桜庭和志を逆オファー。

 RIZINとの絡みによって、格闘技ファンから賛否両論のプラン、マッチメイクが浮上する可能性も今後は出てくるかもしれない。ただ、現時点で重要なのはQUINTETが女子トーナメントを開催し、そこには柔術女王・湯浅がいるということだ。プロの舞台で闘うことで、湯浅の知名度は今まで以上に高まるはず。マニアは“今さら”と言うかもしれないが、湯浅は2019年の格闘技界における新たなスター候補だ。

文・橋本宗洋

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