スマートフォンにおける“見放題サービス”の一部規制について、総務省は中間報告書案をまとめた。
YouTubeなどの動画サイトやSNSを使い放題にし、毎月定額の通信料で使えるデータ量にカウントしない「ゼロレーティング」。ソフトバンクや格安スマホ事業者が展開するサービスだが、ネットワークの中立性の観点などから疑問視する声があがっていた。これは携帯電話会社などの事業者は提供するネットサービスに関し中立、公平であるべきという考えで、特定のサイトに限り無料で見放題だとした場合、競合サイトとの競争環境がゆがめられる恐れがあるというもの。19日付の朝日新聞は「スマホ『動画SNS見放題』一部規制へ 総務省」と報じていた。
そんななか総務省は20日、有識者らによる「ネットワーク中立性に関する研究会」を開き中間報告書案をまとめた。これによると、ゼロレーティングは格安スマホの競争の活性化を阻害しない、ケースバイケースで事例を検証・分析し問題事例については電気通信事業法等に基づき事後的に対応するとして、「一律の事前規制はしない」方針だとした。一方、動画見放題で無料となる通信料は契約者全体で負担するものとし、サービスを利用しない人への負担などが不公平にならないよう議論を継続するとしている。
この中間報告書案について、ITジャーナリストの三上洋氏は「19日に出た報道は先走りすぎていたかもしれない。(中間報告書案は)規制ではありませんということ。ちゃんとしたルールをつくらないとライバル潰しができてしまうので、年内にガイドラインをつくりちゃんと議論しようという、バランスの取れた報告書だった」との見方を示す。
また、東京工業大学准教授の西田亮介氏は「日本の携帯電話料金は諸外国に比べて高いのではないかという指摘がされてきた。ただサービスを規制すると、特にインフラを持っていない格安スマホ事業者は萎縮してしまい、競争が生じにくくなり料金も下がらなくなってしまう。(中間報告書案は)独自サービスの開発とネットワーク中立性をバランスさせて、議論をしばらくは注視しようということ」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)








