3月9日に開催される女子MMAイベント「DEEP JEWELS」(後楽園ホール)の注目カードの一つが、あいvs國保小枝だ。あいはレスリングの実績を買われて昨年秋の「格闘代理戦争 3rd SEASON」女子MMA編にKRAZY BEEから参戦。MMA初経験ながら準決勝進出を果たした。さらに大晦日にはRIZIN「平成最後のやれんのか!」にも出場し、アイドル兼格闘家として話題の川村虹花に勝利している。注目度が上がる中で迎える2019年の初戦が、この「DEEP JEWELS」。MMAファイターとしての成長が問われる一戦に向けて、現在の心境を聞いた。(聞き手・橋本宗洋)
――「格闘代理戦争」出場以来、環境の変化はありましたか?
あい 仕事が変わって、練習優先の生活になりました。
――周りからの反響は?
あい もともとKRAZY BEEで働いていたこともあったので、そこまで驚かれはしなかったです。ただSNSは、番組がきっかけで凄くフォローしてもらいましたね。
――ファイターとして「注目されたい」、「有名になりたい」といった気持ちは?
あい あまりないかな……。
――では一番のモチベーションというか、目標は何になりますか。
あい 難しいですね……。それが一番難しいかもしれないです。まだ総合格闘技での自分の未来を考えられてないですね。
――まだMMAを初めて半年とかですもんね。
あい 大晦日に試合ができたのも、川村選手の「相手」という形でしたし。周りからは「大きい舞台で緊張しないの?」って聞かれたんですけど、そういう感覚もあまりなくて。レスリングの試合だったらメチャクチャ緊張するんですけど。
――それは過去の戦績とか、やってきた練習があるからっていう。
あい そうですね。積み重ねてきた年月があるから「負けられない」って。総合はまだ。思いっきりぶつかるだけっていう段階なので。何も積み重ねてないから緊張しないんだと思います。
――ただレスリングのバックボーンがある分、やるべきことは見えやすいのかなと。
あい 確かにレスリングの技術は体が覚えてたところはあります。ただ大学でレスリングをやめて、選手として何年もブランクがあるので。体重も落ちてますし、筋トレだってレスリング時代の半分くらいしかできてないですね。
――やっぱり競技用の練習してないと体重も落ちちゃうんですね。
あい 「格闘代理戦争」が決まる直前まで、筋肉を落としたくてダイエットもしてたので。だから総合をやることに抵抗はなかったんですけど「またゴリラみたいな肩になるのか……」って、ちょっと悩みました(笑)。
――大晦日はテイクダウンしてパウンドで勝利。昨年から成長した部分は?
あい 打撃の練習をしてきたので、そこを見せられたらと。よける練習もしました(笑)。
――ディフェンスを集中的に練習してきたと。
あい というより、それまでは全然よける練習をしてなかったので。(打撃を)よけるのがヘタクソって言われたんですけど、大晦日までは自分が攻める練習しかしてなくて。
――組んで、テイクダウンして殴るだけみたいな感じですか。
あい はい、それ以外の練習をする時間もなかったので。「相手に攻められたら潔く負けるしかない」って。なので、今回は一回くらいパンチをよけたいです(笑)。
――パンチをよけて組み付いて、と。
あい 攻めるほうでも打撃をやりたいので、1ラウンドは組まずにいこうかなと思ってます。打撃だけで。希望としては、ですけど。
――そういう経験もしておきたいというか。
あい そうです。経験しないと強くなれないので。なので相手の方にも「打撃でぜひ」と(笑)。柔術が得意みたいなんですけど。
――ちなみに後楽園での試合も初めてですよね。
あい はい、行ったことないですね。(後楽園の)遊園地は行ったことあるんですけど。
――そういう面でもフレッシュなんですねぇ。
あい 後楽園は総合の試合をよくやるところなんですか?
――総合、キック、ボクシング、それにプロレスと毎日のようにやっていて“格闘技の聖地”と呼ばれてます。
あい 聖地ですか……。
――すべてが新しい経験ですよね。
あい DEEP JEWELSで試合するのも、その会場に行くのも初めてなので。女子選手がたくさんいて、いろんなキャリアの選手が出ると思うので、そこで自分がどんな刺激を受けるのかなって。そういうところから、いろいろ経験していきたいです。
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