日本のおよそ37倍の広さがあるものの、95%以上が厚い氷に覆われている南極大陸。この白銀の世界を1人で歩き、南極点にたどり着いた男がいる。5400kmのロッキー山脈を縦走、2000kmのアマゾン川で筏下りをしたかと思えば、北極圏を1200km単独歩行するなど、日本でも指折りの極地冒険家・阿部雅龍(36)だ。10年以上にわたって冒険した距離は合計2万km以上に達する。
 普段は「活動資金の確保とトレーニングが両立でき、さらに口下手も直せる」と、浅草で車夫を務める。2年前、「来年末に南極点までソロで歩く」と語っていた阿部さん。宣言通り、去年12月に南極に入り、日本人が誰も踏み入れたことのないルートで、南極点を目指した。そして現地時間1月17日、ついに南極点にたどり着いた。子どもの頃からの夢を叶えてから1か月が経った今、何を思うのか。話を聞いた。