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(2.23新宿大会でいつどこ権を手にした遠藤、大石、飯野)

 「いつでもどこでも挑戦権」、通称“いつどこ権”は路上プロレスやアイアンマンヘビーメタル級王座と並ぶDDT名物だ。

 その名の通り、試合でこの権利を獲得した者はDDTの大会中いつでも、どこでもKO-D無差別級タイトルに挑戦することができる。たとえばチャンピオンが試合を終えた直後、ヘトヘトのところに挑戦してもいいわけで、行使するタイミングも含め挑戦者有利、王者には過酷なシステムとなる。ただし、試合に負ければいつどこ権は勝者に移動するため、権利行使まで守り続ける必要もある。

 今年は2月23日の新宿FACE大会でいつどこ権争奪マッチが3試合実施。翌24日から権利が発動し、7.15大田区総合体育館大会の前まで有効となる。2.23新宿大会では、飯野雄貴、大石真翔、遠藤哲哉がいつどこ権を獲得。飯野はシングル初勝利を収めての獲得、大石は24日の茨城大会でKO-D無差別前王者の佐々木大輔を下し、いつどこ権を守るとともに挑戦者としての自身の価値を高めている。

 遠藤は2.23メインでHARASHIMA、樋口和貞との3WAYマッチを制してのいつどこ権獲得だ。シングル王座に絡むのは久々のこと。しかし2.17両国国技館大会ではプロレスリング・ノアの丸藤正道に大善戦、そのポテンシャルを「タイトルに絡んでない意味が分からない」と絶賛されている。

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(遠藤はメインの3WAY戦に勝利。実力者がついにシングル王座戦線に戻ってきた)

 現王者の竹下幸之介は、かつてタイトルマッチで60分フルタイムの激闘を展開したこともあるライバル。元タッグパートナーでもある。2.17両国で竹下が王座を奪取し、すぐに遠藤がいつどこ権を掴んだのは運命的と言ってもいい。挑戦権を得た遠藤は、さっそく竹下を挑発している。竹下は王者になると他団体選手との対戦をアピールし、3.31博多スターレーン大会ではWRETSLE-1の黒潮“イケメン”二郎と対戦することになった。この試合はKO-D無差別級選手権と発表。もちろん、タイトルマッチ成立の条件は当日までいつどこ権保持者からベルトを守ることだ。

 遠藤が異を唱えているのは、竹下の目が“外”に向いていること。いつどこ権を飛び越えてのタイトルマッチ発表に「DDTの中に、まだやるべき相手がいるんじゃないか」と語り、「博多までお前がチャンピオンでいる保証なんてねえんだ。お前の首は、俺がいつでも狙ってる」とも。

 実は竹下は、遠藤との試合をDDT最高レベルの黄金カードと捉えており、だからこそ「頻繁にやるもんじゃない」と、対戦までに“タメ”の期間も必要だと考えている。他団体選手との防衛戦を希望したのも、その前提があった上でのことだ。だが、遠藤はそう受け取らず、いつどこ権を竹下へのアンチテーゼとした。

 この“もつれ”がどんな影響を与えるか。両国大会のメインで闘ったこともある2人は、次にどんな状況で顔を合わせるのか。DDT名物・いつどこ権は、やはりドラマを呼ぶものになった。

文・橋本宗洋

(C)DDTプロレスリング/村上由美

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