青い帽子に白いマスク、メガネで顔を隠し、黄色いラインの入った作業着風の格好。6日午後4時半、まるで変装するかのように東京拘置所から出てきた日産の前会長カルロス・ゴーン被告に、報道陣が思わず驚きの声を上げた。
逮捕されてから107日ぶりに姿を見せたゴーン被告は、多くの拘置所職員に囲まれながらスズキの軽自動車に囲まれ乗り込んだ。拘置所内にはゴーン被告の姿を見届けた妻キャロルさんと娘のキャロラインさんの笑顔もあったという。
そして拘置所を出た車は高速道路には乗らず、一般道へ。何度も交差点を曲がりながら都内を1時間以上かけて走り、たどり着いたのは千代田区内にある弁護団の一人、高野弁護士の事務所だった。降車する際にはマスクや作業着を脱ぎ、高野弁護士から肩を叩かれると笑顔を見せる様子も確認できた。
この変装姿に、ある検察幹部は取材に対し「レバノンなのでは英雄なのだから堂々とすればよかったのではないか。何がしたかったのか、意味がわからない」とコメント。元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は「マスコミに追われるのを少しでも減らしたかったのだろう。無実を主張しているので、堂々と素顔を晒してくると思ったので極めて意外だ堂々としていないのは逆にゴーン被告の権威に傷がつく。得策ではなかった」と指摘した。また、仏レゼコー紙は「ゴーン氏はカメラの前でカムバックのイメージをコントロールしたかったのだろう。VIP経営者としての風貌を取り戻してから公衆の前に出たかったのだろう」と推測している。
ちなみにAmazonでは八角帽が1000円、作業着(上着)が2880円など、トータル8710円で類似の製品を買い揃えることができるようだ。
ジャーナリストの堀潤氏は「今年の"地味ハロウィン"ナンバーワンだ、とか、黄色ベスト運動にかけているんじゃないか、とか、Twitterは"大喜利"状態。スズキの広報も困惑していたらしい。元気そうで良かったと思うが、自らの潔白を訴えるのであれば、今までのゴーンさんらしく堂々と出てきても良かったのではないか。なにか隠したいことがあるのではないか、あるいは逃亡証拠隠滅、外部からの接触を経つ条件で保釈されたので、あの格好は何かのメッセージなのではないか、と思ってしまう」と話していた。
今後、ゴーン被告側は会見の開催を検討するとしている。
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