3月10日、立ち技格闘技イベントRISEの大田区総合体育館大会で、-61kg、-58kg両階級の世界トーナメントが開幕する。世界各国から強豪が集まったトーナメントで最も注目されるのは、やはり那須川天心だ。
昨年大晦日にはRIZINでボクシング界の超大物フロイド・メイウェザーと対戦。ボクシングルールで敗れはしたが(エキシビションのため公式記録には残らず)、その知名度を飛躍的に高めた。良くも悪くも名前が売れた今だからこそ、“本職”であるキックボクシング、ホームリングのRISEでどんな闘いを見せるかが重要だ。まして、世界トーナメント開催は以前から那須川自身がアピールしてきたもの。那須川は「全試合KOで優勝したい」と意気込む。
キック界には数多くの団体が乱立、タイトルも数え切れないほど認定されており、確固たる“強さ”の基準が完全には確立されていない。そんな中で、那須川は自分の闘いぶりで「RISEで勝つのが世界一」という価値観を作ろうとしているのだ。単に勝つだけではない、壮大な野望と言っていい。
1回戦で闘うのはアルゼンチンのフェデリコ・ローマ。キャリア68戦、勝ち星の約半分がKOというから相当なハードヒッターだろう。那須川も「しっかり対策しないと倒せない相手」と警戒している。
このトーナメントは年間3大会にわたって開催。しかも現役ムエタイ王者が2人も参戦する過酷な闘いだ。そこで勝つこと、倒すことの難しさを分かっているから、那須川は「自分の集大成を出したい。今年は去年、経験したものを爆発させたい」と言う。
那須川を見続けてきたファンにしてみれば、大晦日の(階級もルールも不利な)敗戦しか知らない“外野”層にも那須川本来の強さを見せつけてほしいところだ。
また-61kgトーナメントも見どころ満載。元K-1王者の大雅がタイのトップであるセクサンと対戦、日本のムエタイ最高峰・梅野源治のエントリー、“ミスターRISE”裕樹とKNOCK OUTのアジアトーナメントで決勝に進出しているチャンヒョン・リーのリマッチと注目選手がズラリと並んでいる。その中で那須川と同門のRISE王者・白鳥大珠にも期待がかかる。2階級ともハイレベルな闘いになること必至。立ち技格闘技の“新メジャー”の存在は、ここからさらに大きくなっていくだろう。
(C)AbemaTV