大相撲大阪場所の初日を3月10日に控える横綱・白鵬(宮城野)が、初場所で現役引退した荒磯親方(元横綱・稀勢の里)と、「東京五輪まで3横綱で頑張ろうと話していた」と明かした。場所前、インタビュー取材に応じると、白鵬、元稀勢の里、鶴竜(井筒)という同世代の3横綱で集まる「横綱会」での会話で「(元稀勢の里は)そうですね、頑張りたいですねと言っていました」と語った。
2日目の3月11日に34歳の誕生日を迎える白鵬にとって、32歳で引退した荒磯親方について、肌を合わせてもけがとの苦労がよく分かったようだ。「32歳といえば、一般的には若いという認識があるかもしれませんが(相撲界では)32歳は決して若くない。けがを完全に治しきれていなかったというのは、私から見てもそうでした」と振り返った。結果的に、横綱として15日間取りきったのは、昇進直後に2場所連続優勝した2017年大阪場所と、8場所連続休場明けから復帰した2018年秋場所の2場所。それでも「横綱として千秋楽まで取り切ったものもある。それを経験したというのが、今後の指導で弟子たちに教えられる、協会を引っ張っていける、そういうものだと思うんでね」と、短い期間ではあったが横綱の責務を果たした経験が重要だと説いた。
荒磯親方の今後に期待するものの1つとして「早くおかみさんを見つけて」と、笑顔で語ってもみせた。「奥さんを見つけることかなと思いますね。早くおかみさんを見つけて、弟子を育てて、相撲の発展で恩返しをしてもらえれば」と続けた。自身も22歳になる寸前の2007年2月に結婚。直後の大阪場所から2場所連続優勝を果たして、綱取りを果たした経験がある。「3年間の付き合いから、結婚というものに踏み込みましたけど、今思えば、もし結婚していなかったら、こういう結果はなかったんじゃないかと。それまでは自分のために(相撲を)っていうのがあったけど、今度は家族のためとか、帰れる場所があるというのもね。私はそう感じました」と、夫人の存在を身に染みて感じているだけに、今後は親方として相撲界を盛り上げる立場となった荒磯親方に、パートナーが大切だとメッセージを送った。
初場所では、昨年10月に受けた右ひざ手術からの回復が万全でない中で出場し、10勝4敗1休という結果に終わったが、大阪場所前の稽古では好調ぶりをアピールし、上向きの状態で初日を迎えられそうだ。3横綱での東京五輪は果たせなかったが、平成最後の場所に、平成の大横綱が42度目の賜杯を狙う。
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