大相撲の「平成最後の本場所」となる大阪場所が、3月10日からエディオンアリーナ大阪で行われる。先場所、手術した右ひざが万全でない中、10勝4敗1休で終えた横綱・白鵬(宮城野)は、史上最多41回の優勝、横綱在位69場所など、数々の大記録を打ち立てながら、まだやり残した2つの優勝記録、そして1つの願いがあるという。場所前、インタビューに応じると、衰え知らずの意欲とともに、その目標・願いを語った。
掲げた2つの目標は、その実力を長くキープしなければ達成できないものだ。「横綱・千代の富士関が33歳から優勝8回。私はまだ1回。それと最後の優勝が35歳5カ月。その2つの目標があります」。白鵬は大阪場所2日目の3月11日に34歳になる。ピークを超えた体力を技術・経験で補い、昨年も1回優勝したが、目標まではあと7回ある。また、千代の富士が果たした35歳5カ月の優勝は、横綱としての最年長V記録。あと7回の優勝をクリアすれば、自然とこの記録もついてくるはずだ。
自身の記録とは別に叶えたい願いというのが“内弟子”2人を引き連れての横綱土俵入りだ。「うちの炎鵬が今十両2枚目。今場所勝ち越し、あるいは大勝ちすれば新入幕になる。そして石浦が幕内にいれば、3人で横綱土俵入りができる」。自分が横綱でいる間に、“内弟子”たちを幕内まで引き上げる。それが相撲全体を盛り上げる大横綱としての役割だとも感じている。
初場所は、昨年10月に手術した右ひざの状態が万全でないまま土俵に上がり、初日から10連勝こそしたものの、そこから3連敗を喫し、10勝4敗1休(不戦敗1)で終わった。「初場所は天皇陛下も来られるし、頑張らなきゃいけないという思いもありまして、ちょっと無理をしてしまった。体を動かすと熱があって、それは炎症があったということ。場所に入って、また痛めたし。今は(優勝した)去年の秋場所とまではいかないけど、重さ、速さ、太さっていうものが、ちょっと近づいた感じがしますね」と、復調ぶりを感じているという。
大阪場所は入門、十両優勝、大関優勝、横綱昇進の足固めとなった優勝をした、縁起のいい場所。ただ、直近2年は休場している。「2年連続で休んでいますからね。大阪にしか来られない人々がたくさんいますし、後援会、応援してくれる人もたくさんいる。大きいけがなく15日間、千秋楽まで取りきる。そうすれば結果はついてくると思います」と意気込みを語った。場所前の稽古では、若手力士たちを圧倒する様子も数多く見られた。元横綱・稀勢の里が引退し、鶴竜(井筒)と2人横綱で迎える大阪場所。まだまだその中心には、平成の大横綱がいる。
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