世界でおよそ23億人が利用する世界最大の交流サイト「フェイスブック」。マーク・ザッカーバーグCEOは6日、自身のフェイスブックに次のような投稿を行った。
「最近はよりプライベートな交流が求められている。インターネットの将来を考えると、利用者が個人情報などをオープンにするよりも、プライバシー重視のサービスがより重要になる」
個人情報の共有からプライバシーの重視へ。具体的には、不特定多数への情報発信を重視する現在の仕組みから、仲間内の交流を重視したサービスに移行するとし、さらにメッセージの暗号化などセキュリティ面の強化も掲げている。また、フェイスブックの対話アプリ「メッセンジャー」と写真共有アプリ「インスタグラム」の利用者が、互いに情報のやりとりができるようにするとも表明している。
そもそも、フェイスブックやその他のSNSは今どのように扱われているのか。AbemaTV『けやきヒルズ』は渋谷で声を聞いてみた。
「（フェイスブックは）インスタとかよりは“固め”なイメージ。気軽感がないかも」（10代・女性）
「（フェイスブックは）使っているが、見るだけ。インスタのほうが見やすい」（30代・女性）
「投稿もインスタにしかほとんどしてなく、（フェイスブックは）開けることも少ない」（30代・女性）
「（フェイスブックは）3年前ぐらいまでやっていたが、最近は全然書いていない。あまりにも誰でも見られるので。スクリーンショット画像で撮られたり、実名だしどんな風に使われたりするかわからない」（30代・男性／会社経営者）
今回のフェイスブックの方向転換について、『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏は次のように話す。
「米WIREDが早速ザッカーバーグにインタビューをしていたが、今までフェイスブックが用意していたのは“広場”なんだと。この広場に人々が集まってきて、それぞれ自分の情報を発信する。しかし、これからはプライバシーを重視した“リビングルーム”を用意すると言っている。これまではザッカーバーグがフェイクニュースの問題などで議会に呼ばれたり、個人情報が流出して政治的な利用をされてしまったりということで叩かれてきた経緯の中で、米WIREDは“歴史的な方向転換”だとしている」
フェイスブックのビジネスモデルは、その広場における広告収入。プライバシーを優先するリビングルームへ方向転換すれば広告収入は激減してしまうのではないか。松島氏はフェイスブックが次に狙うのは“仮想通貨による経済圏の構築”だと指摘する。先月28日付のニューヨーク・タイムズ紙によると、フェイスブックの“仮想通貨プロジェクト”が進行しているとして「Facebookの友人間で日常的に送金できる仕組み」「ビットコインのような他の仮想通貨より使いやすく食事の割り勘などでの利用を想定」「半年以内にリリースされる可能性」などを報じている。
これに松島氏は「これまでの広告モデル一辺倒から、広場とリビングルームの両方で経済圏を築いて、まるでひとつの社会そのものがSNS空間に移るような広がりをみせると思う。SNSもこれから大きく変わると思う」との見解。
また、フェイスブックが2014年にVRヘッドセット「オキュラスリフト」のOculus社を買収したことに触れ、「言葉や画像だけではなくて、VR技術による人と人との親密なコミュニケーションにフェイスブックも変わっていくと思う。広場のモデルではなくリビングルームで安心できるコミュニケーションに、VR技術などとも合わさって変化していく未来をザッカーバーグ氏は描いていると思う」との見方を示した。
（AbemaTV／『けやきヒルズ』より）
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