こんにちは。青木真也です。3月10日、RISEとK-1が興行戦争を行います。
「団体の争い」とも「那須川vs武尊の前哨戦」とも味付けできるのですが、お互いに気を遣い合っているのか、しっかりといがみあっているのか……両団体がまったく触ろうとしません。“聞いてくれるな感”が漂うことで、マスコミとして触りづらい状況であるのはお察しします。大変ですね。誰がやるのかなー! と見物していたところ、お前が行けよ! という感じなのでひと言、言わせていただきます。
K-1のプロモーションの努力に頭がさがります。
ネットの世界はコツコツとやったことが反映されやすいので、今大会だけでなく、コツコツとやり続けた結果がYouTubeの再生回数やツイッターのフォロワー数に表れています。武尊選手がエースだけれども、周りを固めるタレントの層が厚いです。卜部兄弟、皇治、芦澤、久保選手などなど。K-1のすごいところは新しいタレントがどんどん出てくることでもあります。多種多様なタレントが出てくることも選手層の厚さであり、ノウハウがあるのだと思っております。K-1はクソ真面目に仕事をする団体でその強さが出ています。公開練習の動画で10万再生超えるってびっくりしました。
中継するAbemaTVの視聴数に関しては、これまで放送している先行者有利もあるし、K-1が圧倒するのではないかなと僕は見ています。
RISEは那須川選手を筆頭に実力派が揃う印象です。スアキム、ルンキット、セクサン、梅野選手などと格闘技ファンであれば誰もが認める超実力派の選手を揃えています。ムエタイルールで見たい! なんてムエタイファンは思うのではないでしょうか。現在のタイのトップ選手を参戦させているのは、プロモーションが届いていないのが残念だけれども、とてつもないことです。
格闘技が好きで試合の品質だけを見たい観客であればRISEの選択も当然、理解できる選択です。
さてさて、せっかく上品になのか、下品なのか。同日に大会をぶつけたのであれば、ガンガン煽って話題にしたほうがお互いメリットあると思うし、業界も盛り上がるはずです。格闘技マスコミも多少怒られるとは思うんですが……煽ってみると楽しいはずです。
で、どうしても「那須川天心対武尊」がどうなるのかがファンの気になる部分だと思うのです。僕は見たいか見たくないかで答えると「どっちでもいい」です。ただ那須川選手がK-1に加入することは考え難いので、実現の可能性があるのであれば、武尊選手の最後の試合でどこか中立のリングで行なわれるくらいしかないのではないかなと思っております。
武尊選手も那須川選手もジャンル、団体を代表する選手として、皆を笑顔にする責任を自覚していると思うので、僕は彼らが決断することを支持したいし、彼らに任せておけば安心だと思っています。彼らの掌の上で転がされて楽しませてもらいましょう。
文/青木真也(格闘家)
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