今、親から子どもへの暴力や虐待が相次いで発覚している。この事態を受けて政府は、親から子どもへの体罰禁止を明記した児童虐待防止法などの改正案の概要を明らかにした。さらに民法に定められた懲戒権(親が子を戒めることができる)についても、改正法施行の5年後を目途に具体的な措置を講じるとした政府に対して、自民党の塩崎元厚生労働大臣は、これだけ問題になっている時に5年もかけることに疑問を呈しており、「長くても2年以内には答えを出さないといけない」と話している。
法律で規制することで、家庭内の子どもを救いやすくする利点もあると話すのはNPO法人国際子ども権利センター代表理事の甲斐田万智子氏。甲斐田氏は「法制化することで啓発活動がどんどん進む。まずは法律をつくることが一番大事」とこの流れを歓迎。さらに「体罰は暴力。暴力によって子どもたちは理解するというよりは恐怖を感じるだけ。教育的効果はない」と話し、改めて子どもへの暴力や虐待を非難した。
この件について街では「痛みによる教育・しつけは要らない」「叩いてはダメ」「ルールで禁しなきゃいけないことが悲しいと思う。ルールで禁止したからといって、本当に守られるのかどうか……」など様々な声が聞かれた。
その中で「今は何でもかんでもやっちゃいけないというのが多すぎる」とした女性の意見をきっかけに、10日に放送されたAbemaTV『Abema的ニュースショー』では議論が白熱。
「私自身は子どもが3人いて、一度も手を挙げたことはない」と話したのは、大王製紙元会長の井川意高氏(54)。井川氏は法律で体罰を禁止することに対して否定的な意見を持っており「極端な、異常な人の例がいくつか出ただけで、すぐに法律、何もかも法律というのはおかしい。これは日本人の悪い癖で、過去にレバ刺しを食べて人が亡くなったことを受けて、レバ刺しが禁止になった。それよりもふぐやお餅を食べて亡くなる人の方が多い。今回の法律に関しては殺人や傷害の問題であり、刑法で罰すればいい」と私見を述べた。
一方、元長野県知事で作家の田中康夫氏は「小さい時は蝶よ花よで、幼稚園に入ったら全員が同じ服を着て右向け左向け。小さい時、3歳までにやっていいことと悪いことを教えなければダメ」と話すと、何故かスマートフォンに入った愛犬の写真を出演者に見せて「人間も動物。小さい時に甘やかすと手が付けられなくなる。その結果、今ではご飯の時以外は言うことを聞いてもらえない」と寂しそうに締めくくっていた。
(C)AbemaTV
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