菅義偉官房長官と東京新聞の望月衣塑子記者との激しいやりとりに端を発した官邸の記者会見をめぐる問題。先週、記者やジャーナリストが官邸前でデモを起こすまでに発展している。今年2月、ある女子中学生が署名サイトを使って望月記者への支援を呼びかけると、1か月足らずで約1万7000人分の署名が集まった。
そんな女子中学生の行動に注目した『ハフポスト日本版』が取り上げ、さらに脚光を浴びると、ネット上では批判が急増。女子中学生のものとされるTwitterアカウントの投稿時間などが解析され、中学生が授業中にもかかわらずツイートしているのはおかしいとして「あんた中学生じゃないやろ」「なりすまし中学生」、さらには「死ねよゴミ」といった誹謗中傷が殺到した。また、東日本大震災に関する投稿に対しても「震災発生時6歳の子供がそんなことを知っているはずがない。大人がなりすましている」といったリプライで埋め尽くされることになった。
ネット上には女子中学生の個人情報を詮索するような動きもあったという。女子中学生とその母親を取材したハフポスト日本版の関根和弘記者は「名前や母親の会社などについて根拠のない情報までいっぱい出て、自宅に不審者が押し寄せるんじゃないかという心配までしていた」と明かす。
「別に中2っていう設定にしなくても活動はできるのに、中2の方が話題性あるからって安易にウソつく精神が左翼の典型って感じ。そして、なりすましの指摘には反論もせずブロック」。政治問題に関心があり、"保守系の思想"を持っていると話す30代主婦の佐藤さん(仮名)も、そんなリプライを送信した一人だ。
「基本的に女性がとか、子どもがとか、中学生がとかいうのを全面に出している記事を疑ってかかっちゃうところがある。なりすましてるんじゃないかと指摘するサイトも出てきていたので、やっぱりそうなんだって思ってしまった。"中学生じゃないでしょ、あなた!"という正義感もあったのかもしれない」。その一方、自分の主義主張に合わない見出しを見ただけで情報の中身を精査することなく反応、投稿・拡散の前に躊躇することもあまりないようだ。「何も考えていないわけじゃないが、過激な見出しだなと思っても、自分が考えている方向性と一緒だったら気軽にリツイートしていた部分もある」。
そこで番組では、佐藤さんと関根記者の対談の場を設けた。
佐藤さん:中2の女の子は疑われるって全然思わなかったってことですかね?。
関根記者:そうなんじゃないですかね。疑われるために署名活動をしていませんしね。
佐藤さん:日常生活のツイートとかじゃなくて、意見が分かれることに対して何かアクションを起こすんであれば、炎上するのは目に見えていると思ったんですよね。
関根記者:だから何か対策をしろと?僕は逆なんですよね。疑う方がちゃんと立証責任があるのではないかなと。疑いを持っているんだったら、それに足る証拠を出してよって、僕なんか思っちゃうんですよ。
佐藤さん:そこまでコメントする時とかは考えていないというか…。
関根記者の話を聞いて、女の子が中学生だったことは理解した佐藤さんだが、中学生だという属性を抜きにして主張するべきだったという考えに変わりはないようで、「中学生というのに甘えてじゃないですけど、何か批判が来たら、"私はショックを受けました"みたいなのは違うんじゃないのかなって思うんですよね(笑)」と感想を漏らした上で、「ツイートとかコメントも思いついたらすぐやっていたことがあって、そこは軽率だったと思う。ただ以前、大学生が小学4年生になりすましていたという件もあって、偏った切り取りとか、ヤラセとか、根本的にメディアへの不信感がある。ハフポストの"女子中学生は実在した"という記事に対しても、もともとハフポストが信用できなくて、それでデマに引っかかった原因になった。そのことも関根さんにはお伝えした」と話していた。
"はるかぜちゃん"こと春名風花さんは「私のTwitterも"親がやっているんだろう"と言われてきたので、気持ちはわかる。ただ、ハフポストの記事には親御さんによる言葉が多く、失敗した部分もあると思う。女の子がうまく話せないのはわかるが、それでも一人で発信していることによって味方を増やしてきた部分があったはず。見る側も、本当のところは誰にもわからないということに対して、70%くらいは疑っても、30%くらいは信じる気持ちを持ってほしい」と感想を漏らした。
オンエア中、番組のハッシュタグに対しては、「少なくともスタジオにいる大半のやつらは反日リベラル、嘘つきの集まり。左に不都合な部分をクソリプと認定する。北朝鮮かよ(笑)」「保守系のクソリプは悪くて、左翼はきれいなリプライかい。左翼系の方が過激でひどいよ。相手を責めるために被害者ぶるのもいい加減にしろよ」「ハフポストを擁護するアベプラ、まあアベプラ(AbemaPrime)はテレビ朝日系列だから」といったリプライも寄せられていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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