24日、島根県出雲市の住職が白バス営業の疑いで逮捕されたことを受けて波紋が広がっている。
この住職は昨年12月、兵庫県内への「カニ食べ放題ツアー」を有料(8500円)で行い、お寺が所有するバスに客を乗せた疑いが持たれている。なお昨年10月にも「四国お遍路ツアー」として寺の中型バスに有料で客を乗せていたこともわかっており、その客の多くは檀家や近所の人々。寺の運営状況が苦しく白バス営業に及んだものとして、調べが進められている。
いま、日本にある寺は、そこまで運営状況がひっ迫しているのか? この問題について、自身も僧侶でありお寺事情に詳しい鵜飼秀徳氏は「既存仏教のお寺の総数は約7万7000あり、そのうちの“空き寺”はおそらく1万5000から2万ぐらいと言われている。20年後にはさらにおよそ1万の空き寺が出るのではないかと予想される」と話した。さらに鵜飼氏は、空き寺が増える原因についても次のように言及した。
「空き寺が増える一番大きな要因としては、地方から都市部への人口流入。多くの地方にある寺は貧しい状況が続いている。仮に寺から住職がいなくなってしまった場合は、近隣にある経営基盤が比較的しっかりした同じ宗派の寺の住職が兼務する形になるだろう」
しかし、兼務という形を取っても維持が難しいケースも考えられる。その場合について鵜飼氏は「お墓はほったらかし。お寺は動かすに動かせないので、荒れ放題になってしまうだろう」と全国にあるお寺の窮状について語った。
「言いたいことが山ほどあるが、職場に迷惑がかかるので……」とやや躊躇しながら切り出したのは、東京大学教授で歴史学者の本郷和人氏(58)。本郷氏は「お寺の僧侶というのは職業ではなく宗教者なのだから、潰れるものは潰れてもいい。僧侶になることを選ぶのは選択と書いて“せんちゃく”というのだが、それを世襲で受け継ぐのはおかしなこと。世界を見た時、子どもがいるお坊さんは日本しかいません。それが基本になると思いますが、これ以上言うと、消されるので……」と口を閉ざして周囲の笑いを誘った。
そもそも、議論の発端になった違法とされている白タク(バス)の問題について、元日経新聞の新聞記者で現在は作家として活動する鈴木涼美氏(35)は「日本のタクシーを愛用している」としたうえで「均一料金でどれも高品質というのは、ちょっと不親切。今でこそUBER(アプリを使ったタクシー配車サービス)と言われているが、昔からイギリスでは街中でよく見かけるタクシーとは異なり、ミニキャブといって予約でとる普通の乗用車を使った割安のタクシーを使い分けている。安かろう悪かろうではないが、銃社会のアメリカでさえもOKなのに、こんなに治安のいい日本で何故だめなのかとは思う」と話すと、千原ジュニアは「(利権の問題で)ごくごく一部の困る人がいるということですよ」と応じていた。
(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』より)
(C)AbemaTV
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「寺の運営が苦しくて…」住職が“白バス”営業で逮捕
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