映画『愛がなんだ』の主人公・テルコは猪突猛進、一心不乱に恋をする。都合よく扱われる相手との関係について、テルコを演じた岸井ゆきのはインタビューにて、「自分とは全然違うと思っていたんですけど」としながら、思うものに対する熱量を理解し、役を演じる上でのヒントにしたという。ルールのない恋愛に、私たちの想像力や経験値が問われ、どこか古傷がうずく。
 マモル(成田凌)に出会い、一目惚れした28歳のOLテルコ(岸井)は、マモル中心の生活を送っている。マモルからの着信には秒速で出るし、呼び出されるとシャワーを浴びている途中でも出ていくほど。お酒を飲んで、動物園に行き、セックスもする。しかし――テルコはマモルの彼女ではない。