まもなく平成が終わる時、平成生まれとしては初の名人が誕生するかもしれない。4月10日から開幕する名人戦七番勝負で、3連覇中の佐藤天彦名人(31)に挑戦するのが、豊島将之二冠(28)だ。自身初の名人挑戦でもあり、奪取となれば平成生まれの棋士としては初の名人となる。昨年度、王位、棋聖と一気に2つのタイトルを獲得し、将棋大賞でもMVPにあたる最優秀棋士賞に輝いた。9日に行われた前夜祭でインタビューに答えると「名人戦で指せるというのが非常にうれしいし、幸せなことだなと思っています」と語った。
2007年度のデビュー以来、通算勝率は636局で441勝195敗、勝率.693。トップ棋士との戦いが続く中では、驚異的な高勝率をキープしている。いつタイトルを取ってもおかしくない実力を持ちながら、なかなかタイトルに縁がなかったものの、昨年7月に棋聖位で初タイトル。続けて9月には王位も奪取し、一気に二冠となった。現在、8つあるタイトルで複数を保持しているのは豊島二冠と渡辺明二冠(34)の2人だけ。ここで最も歴史ある名人位を獲得して三冠となれば、まさに棋界トップに君臨すると言っていい。対戦相手となる佐藤名人には、過去11勝6敗と勝ち越しており、現在は4連勝中。相性もいいが「奨励会時代から戦ってきた方なので、名人戦で指せるのはうれしく思いますし、棋風については非常に手厚い将棋で、やっぱり大変な相手だなと思います」と答えた。
名人戦七番勝負は持ち時間9時間の2日制。第1局で振り駒が行われ、以降は先手・後手が入れ替わり、最終第7局になった場合は再度振り駒が行われる。
(C)AbemaTV