染色体の異常により600~800人に1人いるとされる、ダウン症候群。知的障害を抱えることが多く、身体的にゆっくりと育っていくのが特徴だ。
 去年3月に生まれたダウン症の勘介くん(1)を育てるメイミさん(38)は、今でこそ笑顔で成長を見守っているが、出産前には悩み、苦しみ、何度も夫と話し合いを続けた。理由は、妊婦が出産する前にお腹の中の赤ちゃんに異常がないかを調べる検査、「出生前診断」だ。
 かつて、染色体異常を100%の確率で知るには「絨毛検査」や「羊水検査」という方法が用いられたが、1%未満の確率で胎児が亡くなる危険性も孕んでいた。そんな中、2013年に採血するだけで胎児の死亡リスクがない簡易な「新型出生前診断」が登場。出生前診断を受ける人は、この10年間で2倍以上まで増加、2013年4月~2018年9月の間に「新型出生前診断」を受けた人は約6万5000人に上る。