(久々のアメリカでの試合が決まった堀口。勝てば2冠王となる)
RIZINバンタム級王者の堀口恭司が、MMA12連勝をKOで決めた。
堀口はUFCでフライ級タイトルに挑戦したこともある世界的強豪。一昨年からRIZINに戦場を移すとバンタム級GP優勝を果たし、昨年大晦日にはアメリカのメジャー団体ベラトールのチャンピオン、ダリオン・コールドウェルに一本勝ちしてRIZINバンタム級の初代王者となった。
昨年9月には那須川天心とキックルールで対戦するというドリームマッチを実現させている。この試合は判定負けとなったが、終始スリリングな攻防を展開。あらためてその強さ、格闘センスへの評価が高まったと言っていい。
今年初戦となる4月21日の『RIZIN.15』横浜アリーナ大会では、アメリカのベン・ウィンと対戦した。堀口同様、UFCでのキャリアもあるウィンはRIZIN初参戦。ここで堀口に勝てば大出世だ。試合が始まると、ウィンは一気に前進し、距離を詰めてきた。堀口が得意とするロングレンジからの打撃を封じようという戦略だ。
「やりにくさは感じましたね。距離を潰してきて、対策を練ってきたなと」
そう語った堀口だが、距離を潰されてもしっかりと対応。相手のワキを差して投げの攻防でも退かず、そこからあらためて距離を作ってパンチをヒットさせていく。右ストレートでウィンをダウンさせた堀口はさらに連打を浴びせ、1ラウンドでフィニッシュしてみせた。
「全部打撃でいくつもりでした。プラン通りです。みなさんの声援が拳に乗るんで、もっと応援よろしくお願いします」と笑顔を見せた堀口に、リング上で榊原信行・RIZIN実行委員長から新たなオファーが。大晦日に対戦したコールドウェルとの再戦、しかもアメリカでの試合で、コールドウェルが持つベラトール王座への挑戦だ。6月14日、舞台はニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンである。堀口の返事はもちろんOKだ。
「どこでやろうと関係ない。しっかりベラトールのベルトを獲ってきます。自信もあります。アメリカで試合をするのも嬉しいですね。世界中の人が見てくれる」
日米2冠達成となればまさに快挙。世界の軽量級戦線にとって重要な一戦だ。
また榊原氏は、堀口以外のトップ選手もベラトールに派遣したいという。そうした流れから、年末イベントで大規模な対抗戦につなげるというプランもある。“対世界”の闘いにおいて、男子・堀口、女子・浜崎朱加というチャンピオンを抱えているのはRIZINの大きな強み。RIZINの“世界戦略”は、今後見逃せないものになっていきそうだ。
文・橋本宗洋
(C)AbemaTV
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