現代MMAで世界一に最も近づいた日本人・岡見勇信、37歳で新たな挑戦
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(写真は本人のインスタグラムより)
 

 5月3日ジャカルタで開催される「ONE Championship:FOR HONOR」に、元UFCトップファイター・岡見勇信が参戦する。堀口恭司と並び過去10年で最もUFC世界王者に近づいた日本人であり、ONEにおいては日本大会で初見参したデメトリアス・ジョンソンやエディ・アルバレスに続くMMAメジャーリーガーだ。そんな岡見も現在37歳とキャリアを後半に差し掛かる今、アジア最高峰リーグでの頂を目指しての再挑戦となる。

■現代MMA史において最も頂点に近づいた男

 かつて岡見はプロレスラーを目指していたという。新日本プロレスのトライアルに2度落るなど苦汁をなめるも、総合格闘技に転身後すぐに頭角を現すこととなる。「PRIDE」の登竜門番組(今でいうUFCの「The Ultimate Fighter」)の4回大会で優勝、その後キャリア黎明期に「PRIDE」「HERO'S」などに参戦するも、日本国内での総合格闘技イベントの縮小の煽りを受け海外に活躍の場を求めるようになる。

 2006年にUFCに参戦してからは破竹の勢いで勝利をあげていく。アラン・ベルチャー、マイク・スウィック、ジェイソン・マクドナルド、エヴァン・タナー、ディーン・リスター、ルシオ・リニャーレス、ネイサン・マーコートなどこの時代を代表する強豪に次々と勝利。リッチ・フランク、チェール・ソネンというビックネームには敗れたものの、圧倒的な実績を引っさげて2011年8月当時、無双状態だったアンデウソン・シウバの持つUFC世界ミドル級タイトルマッチに挑んだ。これこそ、日本人選手がはじめて現代MMAで頂点に最も近づいた瞬間である。

 この試合1ラウンドはアンデウソンに対してほぼ互角の入りをみせたものの、2ラウンドに入るとジャブ、フックとノーガードでアグレッシブな打ち合いに飲み込まれTKO負け。しかし現在でもUFC史上最高の王者の1人に挙げられるシウバの黄金期に対戦した日本人として、長く記憶の残る戦いを繰り広げたことは、日本の総合格闘技の歴史において今でも燦然と輝く快挙であり誇りでもある。

■勝ちも負けも経験した37歳、今が最強

 そんな岡見勇信だが、2013年に以降はさまざまな国で戦いを繰り広げてきた。アメリカのWSOF、日本のDEEPやPANCRASE、UFCとの再契約を経て2019年2月に「ONE Championship」との契約を発表した。彼の新天地での戦いについてONEの公式サイトでは「長年トップ戦線で戦い続けたエリートは未だに無冠の帝王だ」と綴った上で「16年間47戦という戦績とキャリアの浮き沈みを経て最も高みにある」と期待を寄せている。

 岡見自身も「今までの経験が現在につながっている、勝ちも負けも経験してきて、今が最も強い岡見勇信であると自信をもって言える」と発言している。

 ONEデビュー戦の対戦相手は、キャムラン・アバソフ(キルギス)。昨年12月のマレーシア大会でも強力な打撃と組合いでの圧倒的な強さをみせた。荒々しいファイトスタイルで対戦相手を一方的に投げて戦意喪失させ、最後はリアネイキドチョークという100点満点の勝利だ。ウェルター級の今後のタイトル戦線を占う意味でもアバソフ攻略は、タイトルを狙う岡見にとって避けられないミッションとなる。このリーグでのターゲットはゼバスティアン・カデスタム(スウェーデン)の持つウェルター級のタイトル。10月に再び日本に上陸する2度目のONE日本大会までにベルトを腰に巻くことが当面の目標だ。

 先日発表された雑誌『ニューズウィーク』の特集「特集:世界が尊敬する日本人100」には、テニスプレイヤーの大坂なおみや、サッカー選手の香川真司本田圭佑、岡崎慎司、元メジャーリーガーのイチローなどと共に岡見勇信(格闘家)の名が並んだ。最も強い選手がひしめく総合格闘技のミドル級でトップを張った日本人の37歳での新たな初に期待したい。

(C)AbemaTV

 

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5月3日(金)20時から放送

ONE Championship ジャカルタ大会 "FOR HONOR"

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