シーズン4を迎えた格闘リアリティショー『格闘代理戦争』のトーナメント戦がいよいよスタートした。
今回のルールはK-1、それも団体の勝ち抜き戦。1回勝ったら、3分のインターバルを経てすぐ次の試合となるため、個人戦トーナメントよりも消耗が激しい。それだけにセコンドのアドバイス、チーム全体のバックアップや結束力も重要になるため、4月27日の1回戦2試合には独自の熱気が生まれた。
中でも目立った一人が、「皇治軍団」の松本日向だ。大学生日本一を決める「K-1カレッジ」トーナメントで優勝している松本は、先鋒として登場すると小気味いい動きを見せ、2連勝でチームの勝利に貢献している。「3人抜き」を狙う大将との試合を前に、クセになっているという肩の脱臼で棄権という形になった松本。しかし自分の試合が終わった後もチームメイトの闘いに必死になって声援を送る姿が印象的だった。
自身のK-1の試合では対戦相手をディスりまくって舌戦を展開する皇治が「感激しました」と言うほどの一体感を生んだ試合の後に取材してみると、松本も「いつもの試合より全然嬉しかったです」と笑顔を見せた。
「自分の試合が終わったのに闘ってた感じですね。今までは個人戦だったんですけど、それとは違いました。ケガして自分の試合は終わったんですけど、観客席から“まだ終わってないぞ”って声が聞こえて。それでしっかり切り替えることができました」
空手時代から格闘技経験が豊富な松本だが、この団体戦抜き試合にはこれまでと別種の難しさを感じたという。
「初めての経験ですし、最初に聞いた時に“勝ち抜き戦ってどういうことだろ”って。しかも3分2Rで生ズネ(足のプロテクターなし)でって。でも始まったらやるしかないんで」
トーナメントであれば次の試合までに休息を取ることも可能だが、この団体戦ではインターバルわずか3分。初めてのことだから、誰も勝手が分からない。しかも各チームの選手たちは、トライアウトとドラフトでK-1トップファイターが務める監督に選ばれた金の卵ばかりだ。
「3試合勝ち抜くつもりでいたんですけど、でも初っ端から飛ばしていかないと勝てないんで。(力を)抜いて勝てる相手じゃないですから。もう最初から全力でした。ただペースをつかんでからは、うまく闘えたかなと思います」
負傷した松本だが、5月17日の準決勝には出場できそうだ。対戦するのは1回戦シードの「チーム武尊」。ダメージを考えれば初戦のチーム武尊が有利だが、松本は自分たちにアドバンテージがあると考えている。
「今日勝てたのは凄い大きい。この勢いのまま行けちゃうんじゃないですかね」
過酷かつ独特なペース配分が必要になる闘い。加えて団体戦を経験したことで、チームの結束力が高まったのも大きい。
「やる前はシードが有利だと思ってましたけど、やってみたらそんなことないなって。向こうにはない場数を踏んでるんで、僕らは。慎ちゃん(梅田慎太郎)は今日、KO負けしたんで次は出られないですけど、その分も自分たちが頑張ります。そしてしっかり優勝したいです。今日勝って、いけると思いました」
試合前に「(参加選手の中で身体は一番)小さいけど、全員ぶっとばす」と力強く語っていた小さな巨人・松本。次戦での活躍にも注目だ。
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「一番小さいけど全員ぶっ飛ばす」松本日向のファイトに魔裟斗が驚嘆