持ち時間5分、1手につき5秒が加算される将棋の超早指し戦「第2回AbemaTVトーナメント」の予選Bブロックの三番勝負が5月19日に放送され、中村太地七段(30)が佐々木大地五段(23)を2-1で下し、都成竜馬五段(29)が待つ二位決定戦へと進出した。昨年度最多勝と勢いに乗る新鋭に対して、対策を練った戦型が奏功。初戦で敗れた都成五段とのリベンジマッチで、逆転での本戦出場を狙う。
敗戦を糧に、実直な棋士がいよいよ力を解放し始めた。持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算という、トップ棋士でも苦労する超早指し棋戦。初戦で都成五段に1-2で敗れ後がなくなっていたが、中村七段には確実に経験値が積みあがっていた。対局への集中力も徐々に高まっていたのか、第1局では佐々木五段が序盤で見せた一瞬の隙を見逃さず、大技を決めて84手で圧勝した。第2局こそ落としたものの、第3局も第1局同様に相掛かりの出だしに。ここでも序盤から優勢を築くと、解説した山崎隆之八段(38)が「(序盤から)リードを守り切った、このルールでは珍しい対局」と話すほど安定感抜群の指し回しで、88手で勝利した。