スイス・ジュネーヴで25日、世界保健機関(WHO)の総会が開催され、「国際疾病分類(ICD)」の最新版が承認された(2022年1月から発効)。「ゲーム障害」を新たな依存症として正式に認定する一方、「性同一性障害」は精神疾患の分類から除外される。
「ゲーム障害」とは、ゲームしたい衝動を抑えられず日常生活より優先、健康を損なうなどの問題が起きてもゲームを続ける、学業・仕事などに著しく支障をきたすといった状態が、少なくとも1年間続くこと。
一方の「性同一性障害」は精神疾患の分類から除外され、「性別不合(仮訳)」として「性の健康に関連する状態」の分類となる。これにより、世界から「性同一性障害」という概念が消滅し、社会から受ける偏見を減らすことや、近い将来に日本でも「精神疾患」と診断されなくても医療ケアを受けられる可能性が出てくるものとみられる。
臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は、ゲーム障害の認定について「対象がゲームというだけで、アルコールや薬物といった依存症と同じような診断基準になっている。ICDは世界的な統計のために用いられているもので、ゲーム障害になっている人がどれくらいいるのか統計を取るために診断基準をはっきりさせたということだと思う」と分析。
また、「性同一性障害」の概念がなくなることについては「そもそもセクシュアリティの問題は病気なのか、病気ではないのではないかという話から考えられたことだと思う。診断というのは治療のためのもので、医療的ケアの主は薬物治療。性同一性障害は、二次的なうつなどに薬を使うことはあるが、直接的な投薬治療があるわけではない。病気と位置づけなくても(ケア)できるということだと思う」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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