格闘リアリティ番組『格闘代理戦争』の女子MMAトーナメントで優勝、ONE Championshipとのプロ契約を勝ち取った平田樹が、いよいよデビュー戦を迎える。その舞台は、6月15日の上海大会。フィリピンのアンジェリー・サバナルが相手だ。高校卒業後、MMAを始めてわずか1年ほどでの海外・国際戦デビューは異例だ。柔道出身の平田は、プロデビューに向けあらためて打撃を磨いてきたという。
「相手が打撃の選手なので、打撃勝負もしたいんですけど、チャンスがあれば寝技も。勝つことだけを考えてます。練習してきたパウンドが出せたら」
番組出演によって、アマチュアながら注目度が変わった。ただ浮かれてはいられなかった。ONE参戦のため海外で練習をしたことで、格闘技への意識はさらに高くなったようだ。
「日本では強いと言われても、海外ではまだまだだなと。海外の選手と闘うには、もっとパワーをつけないと。もちろん技術も磨かないといけないですし」
デビュー前の時点で“対世界”を意識できたのは大きな収穫だったのではないか。すでにパーソナルトレーナーをつけ、フィジカルトレーニングにも励んでいるそうだ。またRIZINで活躍する浅倉カンナとも練習を重ねた。
「いい練習をたくさんさせてもらいました。女子同士のほうが(体格差もなく)より実戦的な、本気の練習ができますね。練習ではバチバチやったんですけど、カンナさんは2個上でお姉さんみたいな感じ。試合が終わったら遊びに行こうって約束してるんですよ」
番組のトーナメントではシュートボクシングのトップ選手MIOを下すなど注目を集めた。出稽古や取材など“いちアマチュア”からの急激な変化に「少しは格闘家になれたのかな」と平田。しかし、あくまで実力で、試合の結果で認められなければ意味がないと考えている。ベルトも意識しているそうだ。「アンジェラ・リー選手は今の私の歳でチャンピオンになっているので」。
プロデビューが決まってからの変化の一つには、タトゥーもある。大きなものではないが、左腕に富士山と波をデザインしたものを入れた。和風だから、海外のファンへのアピールにもなるだろう。
「青木(真也)さんには驚かれちゃったんですけど」と笑いつつ「日本の女子選手では入れてる選手が少ないじゃないですか。私は男まさりというか、クール系でいきたいと思ってるので」
一つの企画から世界の舞台へという経歴だけでなく、個性という面でも自分にしかないものを打ち出そうとしているわけだ。前例のない、平田樹にしか描けないプロ格闘家生活が、ここから始まる。
文・橋本宗洋
(C)AbemaTV
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6・15(土)18時~放送
「秋山成勲・平田樹 ONEデビュー戦!」ONE Championship 上海大会
「格闘代理シーズン3rd」
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