「私に出来ることって限られていて、そんなに選択肢も多くない。思うままに打つだけ」と語るのは、サバイバルマッチで首位通過を決めた仲田加南(連盟)だ。
“麻雀ラリアット”という異名通りの豪腕で、RTD歴代王者である多井隆晴(RMU)と平賀聡彦(最高位戦)をねじ伏せ、満を持してグループDに登場する。
サバイバルマッチ全4回戦中、リーチをかけたのはわずか3回だった。「ルールによってもシステムによっても打ち方は変えられないので、リーチで蓋をしないことによるメリットを追いたい。器用じゃないので」と本戦でも自分のスタイルを変えるつもりはない。「たとえどんなルールでも、アガったら加点されるし、放銃しなきゃいい。それは一緒なので、とにかく全員の点棒をかき集めるぐらいの気持ち」とすでに戦闘モード全開だ。
もちろんリーチを封印しているわけではない。ただ「出来るだけ(リーチを)しないで済むならしたくない。しないで済む日は役があるので、たぶんツイている。でもあまりツカないとどうしてもリーチに頼ってしまう。藁にもすがる気持ちでオリてくださいというリーチもあるので、追い込まれている時ほど、リーチが増えてしまう。だからリーチと言わないで済む日は勝てるんじゃないかな」と基本の構えをヤミテンとした上で、高打点を狙っていくのが仲田スタイルだ。
対戦相手となる石橋伸洋(最高位戦)以外、瀬戸熊直樹と白鳥翔は同団体に所属している。とくに瀬戸熊に対しては「若手中堅プロにとって、ものすごいヒーローなので、やっつけたいけど、やっつけられたい葛藤もあるんですよね。やられるのも気持ちいいんですよ(笑)。本当に勝っても負けても私にとってはプラスの舞台なので」とリスペクトしているからこそ、叩きのめされたい気持ちもある。
仲田の異名は“麻雀ラリアット”。その所以は「やっぱり太い二の腕がモチーフだと思うんですよ(笑)。勝つ時はガッとみんながぶっ倒れるようなアガリをしてきたことで、ラリアットみたいだねと連盟の先輩から言われたことがきかっけです。中学校の頃まではバレーボールやハンドボールをやっていて、その頃はそんな太っていなかったんですけどね」と笑い飛ばす。
「100ポイントどころじゃなくて、300ポイントぐらい差をつけて勝ちたいですね。トーナメントなので、1ポイントでも上であれば勝ちは勝ちなので、賢いやり方ではないと思うんですけど」と圧勝が目標。
「恐れずにやりたいように思いっきりやるだけですね。縮こまって、半端なことをするのが一番恥ずかしい」とプレッシャーを力に変えられるのも仲田の武器のひとつだ。【福山純生(雀聖アワー)】
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDトーナメント2019 2016年から3年に渡り行われてきた「RTDリーグ」から、トーナメント方式に変更。昨年行われた「RTDリーグ2018」の予選リーグ(WHITE・BLACK)の上位各6人、推薦枠として2人の計14人に加え、予選リーグ7位の2人と新規参戦2人の4人による入れ替え戦(サバイバルマッチ)から上位2人が本戦に進み、計16人で行われる。16人はA~Dの4グループに分かれ、半荘4回戦で対戦。トータル2位が準々決勝A(上位3人が準決勝進出)、同3位が準々決勝B(上位1人が準決勝進出)へ、同1位は準決勝(上位4人が決勝進出)に進む。主なルールは一発・裏ドラ・赤(各種1枚)あり、全自動卓による自動配牌のMリーグルール。
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