19日午後、国会では1年ぶりに党首討論が行われる。野党側は参議院選挙前の最後の見せ場と位置づけて、いわゆる“老後2000万円問題”を中心に追求する構えを見せている。一方、安倍総理も来月の選挙を見据え、国民の不安を払拭したい考えだ。
党首討論といえば2012年、当時の民主党・野田総理が“解散宣言”をし話題となった。「(11月)16日に解散をします。やりましょう」と明言した野田総理に、当時の自民党・安倍総裁は「(12月)16日に選挙をする。約束ですね。約束ですね。よろしいんですね」と迫り、その後衆議院は解散した。
衆参ダブル選挙が囁かれる中、きょうの党首討論で“解散宣言”が出る可能性はあるのか。東京工業大学准教授の西田亮介氏は、2012年を「言質を取られ事実上の解散が決まった、かなり珍しいパターン」としたうえで、「解散権は総理の権力の源泉の1つ。それを公開してしまうと何の権力にもならないので、このようなやり方は起きにくい」と指摘する。
立憲民主党の枝野代表は、内閣不信任案には「及び腰」との報道もある。この点については、「メンツと実態のせめぎ合い。野党共闘の進み具合や候補者の調整がまだ十分ではないとも言われている中で、菅官房長官が不信任案の提出は解散のきっかけになると口にしたこともある。メンツとしては引けないが、解散されると困るということも野党第一党の党首としては言えない、という状況だと解釈できるのでは」との見方を示した。
そうした中、衆参ダブル選挙は「見送り」とされる向きもあり、西田氏は可能性をどのようにみているのか。「野党の準備や体制づくりが時間をかければかけるほど進むのは明らかで、早い時期に選挙をした方が安倍総理の求心力や影響力を保つことができる。また、やりたいと言い続けている憲法改正に自分で取り組むためにも、ダブル選挙で勝つということが大きな足がかりになる」とし、「総理の専権事項なので誰にもわからないが、僕が安倍総理ならやると思う」との考えを述べた。
今回、党首討論の争点になるとみられるのは、年金問題やイージス・アショアの調査不備問題など。特に年金は過去にも未納や記録改ざんなどの問題が取り沙汰され、安倍総理の足を引っ張る要因になる可能性がある。西田氏は「年金に本当に問題があるかどうかと、報道のされ方・社会の受け止め方とは区別して考えないといけない。国民年金(基礎年金)部分は、平均で見ると現在は収めた額の2倍弱程度を受給できるとされていて、2階建ての厚生年金と共済年金も2倍以上の受け取りができると言われている。現役世代は、年長世代よりその倍率は小さくなっているものの、収めた額を割り込むことは起こりにくいと考えることが大事。年金は国が決して破綻させない仕組みだと捉えることが基本で、基礎部分と2階建て部分の両方で2分の1までが国庫から収められ、我々の納付額だけで回っているわけではない。その制度の仕組みから見直す必要がある」と指摘。そのうえで、「とはいえ、今は『年金に問題がある!』と受け止められている以上、足を引っ張る可能性がある。有権者は、政治家に対してきちんと説明するように求めることが大事」と主張した。
党首討論はこのあと午後3時から行われる。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)









