日本のメディアに対する政府の姿勢が、国連で強く懸念されている。
スイス・ジュネーブで現地時間26日に行われた国連人権理事会で、米カリフォルニア大学教授のデービッド・ケイ氏が、日本のメディアの独立性に懸念を示す報告書を提出。日本では政府当局者が記者に直接・間接的な圧力をかけたという報告があったこと、特定秘密保護法などの影響で政府を批判する報道や調査報道が萎縮してしまっていると指摘している。
デービッド・ケイ氏は、国連人権理事会から任命された「言論と表現の自由」に関する特別報告者で、2016年に来日し政府関係者や報道関係者などから聞き取りを実施。翌2017年に調査報告書を提出し、放送法4条(放送番組の政治的公平性を定めたもの)の撤廃や平和的な集会や抗議活動の保護など、11項目を日本政府に勧告していた。そのうちの9項目について今回、「改善はみられない」と指摘したということだ。