米タレントのキム・カーダシアンが1日、先月25日に発表した補正下着のブランド「KIMONO」を名称変更するとTwitterで発表。「ブランド名は変えない」としていた27日の声明を撤回した。
下着ブランド「KIMONO」をめぐっては、「文化の盗用」を指摘する声があがり、ハッシュタグ「#KimOhNo」が発足、署名サイトに13万人以上が反対の声があがるなど批判が高まっていた。
そもそも、「文化の盗用」とは何なのか。BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「マジョリティ(多数派)がマイノリティ(少数派)の文化を、歴史や差別、弾圧といった文脈を踏まえずに搾取することに対して、マイノリティ側が異議申し立てをすること。背景にはアメリカの人種問題がある」と説明。
神庭氏は今回の件について「個人的には不快」だとしたうえで、「文化の盗用」として批判することには慎重さも必要だと述べた。
「例えば、白人のエミネムが黒人文化であるラップをすることは文化の盗用なのか。日本のガングロギャルは、黒人に対する文化の盗用にならないのかなど、様々な論点が考えられる。『文化の盗用』という言葉は伸縮自在で、いくらでも拡張できてしまう概念。使い方を間違えて、過度なポリティカル・コレクトネスを求める道具になってしまうと、危ない部分もある」と注意を促した。
続けて、今回は日本が“追及する側”となったが、立場が逆転する可能性もあると指摘。
「日本は海外のいろいろな文化を吸収・ミックスして発展させてきた経緯があるので、よその国や民族から文化の盗用だと言われた時に、批判がブーメランとなって返ってくる可能性がある。『文化の盗用』という言葉を錦の御旗にしなくても、単純に『着物を理解しないで使うのはダサい』と批判することもできたのではないか」と疑問を呈した。
なお、「KIMONO」に変わる新たな名称は近く公表するということだ。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)