福岡県で5歳の娘の頬を平手打ちするなどしてけがをさせたとして、39歳の母親と内縁の夫が逮捕された。
障害の疑いで逮捕されたのは、福岡県大任町の美容師・堀内恵容疑者(39)と内縁の夫でとび職の坂本英樹容疑者(46)。警察によると、堀内容疑者は4月下旬から5月上旬ごろ、自宅で5歳の娘の頬を何度も平手打ちしたり、つねったりするなどしてミミズ腫れになるようなおよそ2週間のけがをさせた疑いが持たれている。
先月5日、北海道札幌市の池田詩梨ちゃん(2)が十分な食事や医療処置を与えられず衰弱死。30日ごろには、宮城県仙台市の土屋陽璃ちゃん(2歳11カ月)が自宅に数日間放置され、低体温症により死亡するなど、児童虐待のニュースが相次いでいる。
こうした現状に、慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は「今ちょうど子育てをしている自分の妹を見て思うのは、テクノロジーが発展していろいろ便利になり、世の中から「キツい」仕事がだんだん減ってきている中で、出産や子育ての大変さは基本的にはずっと変わっていないというか、妹もこんなにつらいことがまだあるんだとは思わなかった、と。医療も発展しているんだろうと思ったら基本は『痛いけど産む』、簡単にミルクを作れたりあやすおもちゃがあったりしても『睡眠時間も毎日ギリギリ』、夜泣きが激しい時期は『これから3カ月の間2時間睡眠が続くのか』という絶望感。ぬくぬく育った妹にとって、突然訪れた人生の試練というものを乗り越えていくのがギリギリだったらしい。でも、幸い旦那が手伝ってくれて、何かあれば両親もすぐに駆けつけてくれる。事件が起きたケースをみると、親が協力的ではない、パートナーがいないなど、協力を求められる人がいない孤独な状況。逃げられる場所もないのでは」と話す。
また、自身に置き換えた話として「例えば小説の『蟹工船』みたいなところで2年間働いてこいと言われたら、とてもじゃないが耐えきれない。妹の話を聞くと、それくらい『今までの人生はなんだったんだ』というくらいの大変な日々。虐待は許せることではないが、もし頼れる人が誰もいないとなったら、逃げたくなったりおかしくなったりすると思う」との見方を示した。
2児の母であるテレビ朝日の大木優紀アナウンサーも、自身の経験を踏まえ「妹さんが感じたように、まだ人生でこんなにつらいことがあるんだというくらい体もボロボロになりました。寝ていて2時間おきに起こされる状態だと、通常の精神状態ではいられないようなこともある。私は出産直後、実家に帰って1カ月過ごし母に世話をしてもらって、夫も協力してくれる中でやっと子育てをしてきた部分がある。そういった支えるものがない環境で、経済的に苦しい、周りに相談相手もいないとなると、逃げ出したくなる気持ちは理解できなくない」と心境を吐露。一方で、懸念もあるといい、「そういった時にきちんと受け入れる窓口のようなものを、本当に必要としている母親に伝わる世の中の仕組みにしていかないと、事件を繰り返すことになってしまう」と疑問を呈した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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