囲碁AIの世界一を目指す「GLOBIS-AQZ」が7月10日、仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)と対局し、213手で黒番中押し勝ちした。「GLOBIS-AQZ」は強化学習を始めてわずか1日目で、天才少女と呼ばれる仲邑初段を相手に快勝、限られた時間で確実な成長ぶりを見せた。
「GLOBIS-AQZ」は、日本棋院の理事も務める堀義人代表のグロービス、世界2位の囲碁AI「AQ」開発者・山口祐氏、日本棋院、囲碁AI「Raynz」を開発したトリプルアイズによる共同プロジェクト。海外の囲碁AIが世界を席巻する中、将来的な若手棋士育成のために、囲碁AI世界一を目指している。
8日の公式戦で、10歳4カ月という最年少勝利記録を樹立した仲邑初段に対して、序盤から確実にリードを奪うと、必死に粘る仲邑初段に逆転を許さず、そのまま突き放した。対局後、山口氏は「GLOBIS-AQZ側の評価値はよかったので、最後まで問題なく動いてホッとしています。明確に悪くなったという局面はなかったと思います」と語った。また、敗れた仲邑初段は「強かった」と言葉を絞り出すと、記者から「最初から最後まで強かったですか?」という問いには、小さくうなずき悔しさをこらえていた。
「GLOBIS-AQZ」は19日、強化学習5日目.verで、囲碁界史上最速で七段昇段を果たした若き実力者・芝野虎丸七段(19)と対局する。山口氏は「5日目であれば人間には負けないレベルになるのでは。(勝率は)99%。おそらく超人間級になっていると思います」と、成長に手応えを感じていた。
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