(調印式に続いて試合後も沙希様に噛み付いたのどか。名古屋大会では沙希様の体脂肪率も気になるところ)
5月から7月にかけてシングルのトーナメントが行なわれていた東京女子プロレスだが、その間にタッグ王座戦線も大きく動いていた。
6月8日の新木場大会で、TOKYOプリンセスタッグのベルトを昨年夏から保持してきた坂崎ユカ&瑞希のマジカルシュガーラビッツが敗れたのだ。新王者となったのは沙希様と操のNEO美威獅鬼軍。操はこれが初戴冠だった。
操はこれまでハイパーミサヲのリングネームで活躍。笑いとアイディア満載の試合でファンに愛されてきた。昨年5月、後楽園ホールで行なわれた“デスマッチのカリスマ”葛西純との一戦も大きなインパクトを残した。
しかし勝ち星という結果が出ないキャリアに嫌気がさし、“強さ”を身につけようと沙希様のもとへ。リングネーム、コスチューム、さらにファイトスタイルも変えた結果が、タッグ王座奪取だった。「操」となって以降、タッグはもちろんシングルでも無敗だ。
(腕への集中攻撃をはじめシビアなファイトで結果を出している操。今回が初防衛戦だ)
強さと美しさがすべて。負けにはなんの意味もない。そう主張する操が唯一、勝利を逃した相手が天満のどかだ。場外での大乱戦もあって、2人のシングルマッチは無効試合に終わっている。試合中、操がのどかの妹である愛野ユキに攻撃を加える場面もあった。
東京女子の仲間たちから離れ、勝利のみを追求する操と美軍に挑戦表明したのどかとユキは「姉妹の絆を見せる」とアピール。タイトルマッチは7月13日の名古屋大会に決定し、7.7両国KFCホール大会では調印式が実施された。
操はのどか&ユキの「爆れつシスターズ」を「負け豚」と罵り、沙希様は「あなたたちが似合うのはベルトじゃなくタコ糸。グルグルに縛ってお世話になった方たちに送るわ」とお中元のハム呼ばわり。
(前哨戦では苦しい展開が続いたユキ。タイトル戦で成長ぶりを見せたい)
しかし、そのハムにかぶりつかれるのだから沙希様にとっては悪夢だった。のどかは沙希様の腕に噛みつき、失神させてしまう。操曰く「傷口から体脂肪が増える」という恐怖の攻撃であった。
この両国大会、前哨戦では沙希様&操がユキ&舞海魅星に勝利。しかしこの試合後、警戒する沙希様の隙をついてまたものどかが噛みつき。とにかく食欲旺盛なことで知られるのどかが王者にプレッシャーを与えることに成功した。
爆れつが美軍に勝てるとすれば、やはり姉妹の絆だろう。しかしデビューから1年がすぎたユキとしては“お姉ちゃんと一緒だから負けない”というレベルから脱し、個としての成長を示すことも大事になってくる。
この夏は8月25日に後楽園ホール、9月1日には初進出となるエディオンアリーナ大阪第二とビッグマッチが続く。その時点でどちらがベルトを巻いているかでマッチメイクも大きく変わるだけに、7.13名古屋大会は重要なポイントだ。
文・橋本宗洋
写真/(C)DDTプロレスリング