終盤戦に突入した参院選。街頭演説に足を止め、耳を傾ける有権者もいるが、全ての候補者の話を聞くことは難しく、テレビや新聞などで語られるのも各党の考える重要政策のごく一部だけ。中でも投票にあたって参考となると思われるのが、いわゆる"マニフェスト"と呼ばれる選挙公約集だが、これも「見ていない」「あんまり当てにならない」という声は多い。
選挙公約の研究をしている早稲田大学マニフェスト研究所の中村健事務局長は「マニフェストという言葉が出てきて民主党政権に代わるまでは、具体的な数値目標やスケジュール、財源などを明記しましょう、ということで書かれていたものが多かった。しかし2010年あたりから少しずつ抽象的な、過去の"選挙公約"に戻ってしまったのではないか。また、あれやります、これやります、ということは語られているが、私たちの国は、暮らしはどうなっていくのか、というゴールの姿が示されていないのも共通点になっている気がする」と指摘する。