DDT高木三四郎、試合中に携帯番号漏洩で「スマホが鳴りやまぬ」異常事態…世界よ、これが“超三流”だ!
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(試合中に選手の携帯番号が晒される大事件。DDTではこれが初めてではないというのも恐ろしい)

 7月15日のDDT大田区総合体育館大会から数日、“大社長”高木三四郎のスマホが鳴り止まないという異常事態が発生した。

 原因となったのは、この大会で行なわれたシングルマッチ。高木vsスーパー・ササダンゴ・マシンのOVER40初代王座決定戦である。この試合はビッグマッチ恒例とも言えるウェポンランブル形式で実施。一定時間ごとに両選手が用意したウェポン=公認凶器が投入される闘いで、肉体だけでなく精神を傷めつけるという戦法もアリ。

 たとえばササダンゴは「毒舌解説者」というウェポンを放送席に送り込む。新日本プロレスの名物リングアナだった田中ケロ氏だ。ケロ氏は場内実況で次々とダメ出し。高木は攻めながらもメンタルを削られてしまう。

 さらに「採血」なるウェポンも。これは文字通り、ドクターがリングに登場して高木から採血するというもの。プロレス界では何度となく流血戦が展開されてきたが、採血戦は史上初だろう。血を抜かれることに加え、49歳と諸々の数値も気になる年代の高木には精神的揺さぶりになったはず。

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(リング上で本物のドクターが採血。もう一回やられていたら試合続行不可能だったと高木)

 この試合を前に、ササダンゴは世界的に知られるレスラー・TAJIRIの「プロレスで笑わせるのは三流。学芸会レベル」というツイートに対する怒りを訴えていた。曰く「これ高木さんのこと言ってますよ!」。試合中の“煽りパワポ”で明かしたところによれば自分のコンプレックスでもあったということだが、いずれにせよ笑い満載のプロレスも魅力のDDTとしては見過ごせない発言だった。

 そしてこの試合で、高木とササダンゴは徹底してバカバカしい、TAJIRIが言うところの“三流”プロレスを展開。超満員の観客を笑わせ、喜ばせた。どこに出しても恥ずかしくない学芸会であり、超三流のエンターテインメントである。

 高木はウェポンとしてササダンゴの携帯番号を用意。場内スクリーンで公開するとともに中継の映像にも乗せようと画策したが、映像斑兼レスラーである今成夢人の謀反により高木の番号が公開されてしまう。大会はネット配信で生中継されていたから、世界に向けて公開されたわけだ。

 結果、試合の最中から立て続けに着信。ショートメッセージも届きまくることになった。高木は社長なだけに携帯は重要なホットライン。そう簡単に番号を変えるわけにもいかず、大会後もファンからのメッセージに返信し続けたという。その“神対応”にファンからの評価が上がっているのだから、さすがといえばさすが。どんな一流レスラーにも真似できない芸当だろう。

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(ササダンゴを下した高木はさいたまスーパーアリーナへ向け気合いのマイク)

 また試合中の場内スクリーンでは、来年6月7日にさいたまスーパーアリーナでビッグマッチを開催することも発表。DDTとしては2度目の開催で、前回以上の集客を目指す。今回の大田区大会は全席無料。DDTをさらに世に広めるための実験的イベントだった。

「もっと上を目指したい、もっと面白いことを追求したい。でなきゃ大田区無料興行なんて誰がやるんだよ!」

 リング上でそう叫んだ高木は、インタビュースペースで「DDT本来のよさをもっと研ぎ澄ませていきたい」とも語っている。

「デタラメというか、もっと自由でいい。メジャーと同じことをするつもりはないので。思いつくままに自由にやっていきますよ」

 手元のスマホに次々と着信がある中、高木はDDTイズムをあらためてアピールしたのだった。来年のさいたまスーパーアリーナでは、50歳の大社長や本厄真っ只中のササダンゴが、超三流のプロレスをさらにレベルアップして見せてくれるだろう。

文・橋本宗洋

写真/DDTプロレスリング

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