改憲論議に前向きな姿勢を示したとして報じられた国民民主党の玉木雄一郎代表が8日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』に出演、橋下氏を前に真意を語った。
玉木代表は橋下氏の問いかけに答える形で「自民党の改憲4項目、とりわけ9条はダメ。私は反対」としながらも、「審議拒否はありえない」とし、自民党CM広告規制を含む国民投票改正案を早く通すためにも、改めて憲法審査会での議論を進めるべきだと主張。「最近、我々が言っているのは、安倍政権を倒すには、国民投票をやって否決され、退陣してもらうのが一番早いんじゃないか。諸外国でも、国民投票で大失敗して退陣している内閣はいっぱいある」との考えを示した。
すると橋下氏は"大阪都構想"の賛否を問う住民投票で否決され、政界を退いた自身を念頭に「僕みたいになるということね」と苦笑、「そうしたら、野党が本気になって政権与党を倒そうというならチャンスじゃないですか。国民投票はまさに最大の政治決戦。衆議院選挙では、はっきり言って今の野党は弱い。でも国民投票になったら話が変わるし、野党の信用力とか政権担当能力は別にして、改憲案の中身についてイエス・ノーになるわけだから、激烈に大戦争を仕掛けて、倒しにいったらいいじゃないですか。政権与党を倒す最大のツールですよ。イギリスだってブレグジットで失敗して、首相が退陣しているわけですから」と同調。
これに対し玉木氏が「国会は議論すべき場だから、相手がどうあれ議論したらいいと私は思うけれど、"そう言ったって、相手は嘘つきだぞ。嘘つき相手に議論したら、何をされるかわからない。安倍政権の間に憲法改正の議論をするのはダメだ"と党内で言われている」と苦しい立場を明かすと、橋下氏は「いや~、もうね、僕は国会議員にちょっと知恵がなさすぎる、戦略がなさすぎると思う。あの巨大自民党を今の弱小野党が倒すには、国民投票での勝負しかないと、そこがわかんないんですかね」と指摘。
「僕は自民党が案の中身を変えれば、国民も賛成の方にいくんじゃないかなと思うし、もっと言えば"教育無償化"の維新の案だったら通るんじゃないかなと思っている。でも、僕だって緊急事態条項には反対。立憲民主党の枝野さんも共産党の志位さんも"憲法9条改正なんて、安倍さん、そんなもんおかしい"と言うが、それは国民も同じくおかしいと言うはずだという自信がなければ言えないはず。それなら安倍さんにわざと9条改正案を出させて、そこから"この改正案おかしい、これは否決せい!"と大運動を起こしたら倒れる。本当に倒したいのなら、国民がNOというような改正案、それこそ緊急事態条項を出させたらいいじゃない。今の国会議員にはそういう腹黒さが足りないと思うし、そんなんじゃプーチンとか習近平には対抗できない。自民党に改正案出させようよ、そっから勝負しようよと、なんでそういうことが議論されないのか」。
この厳しい指摘に、玉木氏は「色々、考えてますから…」「身内にも全部はしゃべれないから(笑)」としつつも、「全国を回って話をしていると、反対なら反対と出ていくべきで、リングにあがらないで外から言うのはおかしいと感じるし、やっぱり議席を頂いている立場からしたら、それは良くないと思っている」と、改めて議論のテーブルに着くとの姿勢を強調した。
そんな苦しい心境を明かす玉木氏に、橋下氏は「玉木さんは審議拒否しない、なんでもかんでも反対しないと言っているが、そういうことを言うとやっぱり支持率は伸びない。自民党と社会党があった55年体制じゃないけれど、与党に徹底的に反対するポジションを取った方が、その支持者も一定数はいるから。それが今は立憲民主党似に行っていて国民民主も維新も伸びないけれども、もし政権与党である自民党が崩れたときに、自民党を応援している無党派層は、徹底反対の方にはいかないと思う。だからこそ玉木さんはぶれることなく、妥協をしてでも自分たちの政策を実行していく、という姿勢を貫いたらいいと思う」とエールを送っていた。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)