夏の夕刻の空を黒一色に染める大量の小さな飛来物。その正体はムクドリだ。体長は24センチと小柄だが、群れで行動する習性から今、場所によっては社会問題に発展している。夕方から夜にかけて行動が活発化し、街路樹に集まるムクドリ。その数は多い時で数千匹ともいわれている。
 ムクドリ研究の第一人者である都市鳥研究会の副代表を務める越川重治氏は「もともと畑があって民家があるとか、そういうところが好きな場所だった。夜になると1カ所に集まる『集団ねぐら』が見られる要因は、都市部には猛きん類、とくにタカやハヤブサなどが入りにくい場所なので安全な場所であることがわかって、都市部に移動してきたと考えられている」と話した。