香港から中国本土への容疑者の引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案への反対に端を発した香港のデモは収束の兆しを見せていない。それどころか、デモ隊と当局のにらみ合いによる緊張は、時間が経つにつれて静かに高まっている。そんな状況にジャーナリストの堀潤氏が「国際社会は中国のあおりに踊らされてはいけない」と警鐘を鳴らした。
 先月に国会の立法院がデモ隊によって占拠された直後、また2015年に発生した雨傘運動の際にも香港を取材した堀潤氏は、現在の状況について「中国当局から仕掛けられて暴動は拡大している」と指摘。その根拠として「雨傘運動のときに若者たちが平和的なデモを行っていたが、突如輪の中に割って入った女性が上げた金切り声によって混乱が既成事実化。若者たちは一斉に両手をあげて無実であることを強調したが、混乱が発生したと決めつけた当局によって一気に逮捕者が出た」と説明した。