「Twitterをやめます。」宣言が話題を呼んだ戸田真琴と考える、著名人とSNS炎上
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 クソリプにデマ、炎上商法と、SNSをめぐるトラブルは後を絶たない。そんな中、「Twitterを止める」という決断をし、noteで表明し話題を呼んだのが、AV女優の戸田真琴だ。

 「お世話になりました。それこそデビューしたばかりの頃は誰も私のこと知らないわけだから、全員にリプライしようとか、必死でやっていた。それで私を好きになってくれた人もいるし、個性を出すことで仕事にもつながったので、得することは多かった。だから今もTwitterのことを悪くは言いたくない。むしろ、ありがとうという気持ちがすごく大きい」とした上で、「実際に会うと良い人だったりするけど、赤いビックリマークとかが入っていると、怒ってるのかなって思って、すごく一生懸命返していた。"バカ"って言いきれれば楽しめるかもしれないけど、自分のお客さんや応援してくれている人からは、多少嫌なこと言われても好きになりたいっていう気持ちが混ざって苦しくなったりした。本当はすべてのリプライに応えてあげたいけど、全部やっていると、自分の生活に集中する時間がなくなってしまうのがジレンマだった」と振り返る。

 Twitterをやめて1月あまり。「やめてみて、よく眠れるようになった。今はイベントで会ったり、作品を見てくれたりする人と大切に関わっていこうという気持ちに切り替えられて、気分がすっきりした」。

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 Twitterの現状に対する、出演者たちの見方は次のようなものだ。

 カンニング竹山は「タレントのSNSは双方向ではあってはいけないと思っている」と持論を展開する。「Twitterを初めてしばらくは双方向でやっていたけれど、今は"宣伝とパトロール"。たまに返すこともあるけれど、タレントがファンとつながりをだすと終わりだと思う。元々僕はSNSで個人的なことを晒すのが大嫌いな方。適当なことを書いて、バレたりするとものすごく怒られるし。震災の後、福島に行って野菜を買ったとつぶやいただけで大炎上したけれど、今は同じことを書いても全く炎上しない。あの時の人たちはどこに行ったの?と思う」。池澤あやかは「"戦場"だと思う。あいちトリエンナーレの件を見ても意見が真っ二つに割れていて分断が見える。私も闘うけれど、みんな何かに怒っている」

 ツイートが度々炎上してきた幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏は、「全く気にもしていない。というか僕くらいになると、ツイートボタンを押す直前くらいに"これ盛り上がりそうだな"って思って」と笑う。

 「幻冬舎が炎上していた時に参戦したところ、"箕輪って、矜持っていう言葉も読めないのか"って謎に炎上した。本当は自分の本でも使っているくらい好きな言葉だから、"読めるし、本でも使っているし"って言っても、もう関係ない"箕輪は本当にバカだ。大学も出てないんじゃないか"って。単なる野次馬、放火魔だなと思った。そういう人たちは、僕にレスした後、すぐに違うところで同じようなことをやっている僕もそうだが、ふと、なんで自分の生き方や考え方を世の中に表明しているんだと思うことがある。それが快楽に繋がっているから止まらないが、冷めた目で考えると、見せびらかしているだけだなと」。

 コミュニケーション論を専門とする東海大学の金慶珠教授は「Twitterに限らず、SNSには"繋がる"、"発信する"という機能があるので、不特定多数の人に自分の意見を伝えたい政治家などにとっては非常に有効なツール。ただ、普通の人にとってわけがわからないものだと思うし、私の場合はそこで繋がりたいとは思わないし、すでに色々なところで炎上もしているから、あえてやる必要はないと感じる」と指摘。

 「Twitterで何かを言っている人たちの問題というよりも、匿名性ということも含めて、システムそのものが炎上しやすい。"無名より悪名"と言うが、バッシングを受けても名前を憶えてもらった方が選挙で票が入るように、Twitterでもそういう人たちがインフルエンサーみたいになっていく。だから炎上しない方法があるとすれば、戸田さんのようにTwitterをやめるということだ」。

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 情報社会学が専門の拓殖大学非常勤講師・塚越健司氏は「ユーザーには色々な人がいるし、その距離の取り方がかなり難しくなっている。特にティーンエイジャーだと、SNSをやるとメンタルヘルス的に悪いという研究結果も出てきている。"アテンションエコノミー"という言葉があるように、悪いことであっても注目されればTwitterにみんなが滞留するので、Twitter社の広告収入が増える。その意味で炎上はプラットフォームを利することになる。フォロワー数が万単位になると急にわけの分からないものが増えてきて、クソリプも増えてくるんだと思われるので、ある程度ファンが集まったところでクローズドな場所などに行こうするのはありかもしれない」とした。

 また、若い人たちがSNSの利用をやめてしまう背景の一つとして、"おじさん化"があるとの見方もある。Facebookの場合、10~30代の利用率が低下する一方、40~60代の利用率は増加しており、若者からは"おじさんが増えてきたから前ほど楽しくない""若者の遊び場に入ってこないで!""どうでもいいことで話し掛けてこないでほしい""急に距離を詰めてこられても怖い"といった声も上がる。

 戸田は「特にTwitterとFacebookは年齢層が上がっているのかな、若い子の流行りのものではなくなってきたよねと、私の友達も言っている。そして、全然聞いていないのに、自分のことを"僕は今日なになにを食べたよ"と話してきたり、名前にちゃん付けしてきたりする、"おじさんLINE"が特徴的なので、友達同士で"真琴ちゃん☆☆ご飯いこう!"みたいに、おじさんキャラでLINE送ってびっくりさせる遊びも流行っている」と明かした。

 塚越氏は「偉いおじさんからそういうのが来た時に、若い女性が返し方に困るという話は聞く。"30歳を過ぎたら年下に敬語でしゃべりましょう"というツイートも話題になったが、要するに高圧的になりやすいので、特に年下の人には気をつけないといけないと思っている」とした。

 それでは今後、SNSとどのように向き合って行けばいいのだろうか。箕輪氏は「大きな方向性として、集合知が集まれば良くなるとみんなが信じていたが、今のところは愚かな方に行くというのが主流になっていると思う。mixiではないが、間違いなくクローズドで、阿吽の呼吸が通用する場を作ろうという方向になってきていると思う」と、コミュニティやサロンに向かう大きな流れがあると指摘する。

 金氏は「二極化していくと思う。課金が高くてもクローズドな高級路線と、一般対象に広がりを持たせる路線。その方がビジネス的にはいろんな応用が可能だ」との見方を示し、塚越氏も「確かに10年くらい前は、集合知でインターネットは良くなると言われていたが、10年経った今、悪い方向に向かっているというのは間違いないと思う。Facebookもユーザ数が23億人くらいになり、あまりにもコミュニティが荒れるということで、やはりクローズな方向に行くという方針になっている。ただ、広告モデルだからユーザーはSNSを無料で使えるし、これが課金モデルになれば数千円、下手したら1万円くらいかかる可能性もある。この状況から脱せるか、脱せないかは、ビジネスの仕方がどう変わるのかも含め過渡期だと思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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